マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

「心を育て 学力を伸ばす」伝統の教育
「三兎」を追う学校生活を追究します

二松学舎大学附属高等学校

-心を育て、学力を伸びす- 3年後、人間性豊かな一人の大人として、四年生大学に送り出します。


夏目漱石や犬養毅らの著名人を輩出した漢学塾「二松学舎」の流れを受け継ぎ、「心を育て 学力を伸ばす」をコンセプトに掲げている二松学舎大学附属高等学校。大河ドラマで注目の渋沢栄一も第三代二松学舎舎長を務めており、その長い歴史と凛とした校風は、高校にも脈々と受け継がれている。
同校が目指す生徒像は「自らを高めようとする生徒」。そうした人間力を身につけるため、生徒が「学習」「部活動」「行事」の3つに全力で取り組めるような環境を整えている。
昨年からは二松学舎大学との連携講座「二松学舎『学び』のコース」もスタート。高大連携にも力を注ぎ、心と学力の両輪で生徒を大きく成長させている。


特進コースでも
勉強と部活を両立できる!

二松学舎大学附属高等学校が求める生徒像のキーワードは「三兎」。「二兎追うものは一兎をも得ず」ということわざがあるが、あえて「学習」「部活動」「行事」の三つに全力投球する。そんな充実した学校生活をおくりたいと思う生徒を、同校は待っている。

入試広報部長の車田忠継先生は「高校生活は勉強だけではありません。部活も行事もやりたい、そんな生徒にはぜひ本校に来てほしいですね。勉強は一人でもできるかもしれませんが、部活動や行事はそうはいきません。3年間という限られた時間の中で、部活動や行事を通して友達と過ごす時間は、人間形成に大きな影響を与えると考えます」と話す。 

二松学舎といえば、甲子園出場も果たしている野球部が有名だが、日本高校ダンス部選手権大会全国決勝大会に6年連続出場しているダンス部や、書道パフォーマンスで知られる書道部をはじめ、運動系・学芸系の部活動が充実している。生徒の部活動加入率は80%を超えている。

さらに、2022年度からはカリキュラムを変更し、特進コースでもより一層、部活と勉強を両立できるようにする。「放課後の使い方を、生徒が選択できるようにする予定です。今まで以上に部活に参加しやすくなりますし、勉強をしたい生徒はその機会を設けます」と車田先生。

今年4月から自習室を改修した。個別ブースも19個あり、卒業生の大学生チューターが毎日常駐する。
昨年はコロナ禍ではあったものの、文化祭と体育祭を実施。文化祭は展示のみにし、体育祭は種目を見直し、1・2年生、3年生と2回に分けて行った。
「学校行事は、その過程が大事なんです。生徒同士が協力し合う中、お互いの個性が見えてきて、集団として団結することができます。今年も規模や形を変えて、行事は行っていきたいと思います」と車田先生は話している。

単願受験者が増加
特進クラスが2クラスに

この春の入試ではA推薦(単願)の受験生が増加し、人気が高まった同校。定員250名を超える274名が入学し、1年生は特進クラスが1クラス増え、2クラスとなった。
新型コロナの影響で学校説明会の参加人数が絞られる中、計18回もの説明会を開催。1回の開催時間と内容をスリム化し、希望するすべての受験生や保護者が学校に来られる機会をつくったことが、受験生の心を掴んだ。

交通の便の良さも支持された。同校は、JRや地下鉄など利用できる路線が多く、アクセスしやすい。今年は繁華街を経由する方面の受験者は減ったものの、台東区・墨田区・江東区・江戸川区などからの入学者が増えた。三密を避けたい保護者の心理が働いたと考えられる。

さらに都心にありながら、皇居や靖国神社が近く、清々しい緑に恵まれていることも魅力の一つだ。オフィス街でもあるため、周辺一帯の雰囲気は落ち着いている。コロナ禍だからこそ、環境の良さも改めて注目されている。

A推薦は作文ではなく
適性検査に

来年の入試では、A推薦の試験方法を作文ではなく、適性検査に変更する。点数が明確に出ることで、特進へのスライド合格が可能になったことは、受験生にとってはメリットだ。秋以降の学校説明会では、入試問題の解説も行う。

またA推薦とC推薦(A推薦の基準を満たさないが、同校を第一志望とする試験)では、出席基準を変更した。出席基準を3年次だけでなく、中学校3年間で欠席・遅刻・早退それぞれ20回以内とする。

C推薦の出願基準は「5科15以上」。A推薦の「5科17以上」という基準には届かないけれども、強く入学を希望する生徒のために設けている入試だ。これまでは、成績順で合否を判定していたが、今後は出席基準を変更することで、真面目に通える生徒を優先したいと考えている。その理由を車田先生は「本校に入学したら真面目に頑張りたいという、強い意志の持った生徒に合格してもらいたいからです」と話す。

 「中学の時の成績がオール3であっても、本校で真面目に取り組むことで、学力は伸びます。安心して入学してほしいと思います」


(左)英語研究部では、スピーチコンテストへの参加や英検の勉強など、楽しみながら英語を学ぶ
(右)全国大会常連のダンス部の圧巻のパフォーマンス

大学選びの第一歩に
二松学舎大学での講座

昨年から「学問の視点からの大学選び」を目的に、二松学舎大学との連携講座「二松学舎『学び』のコース」がスタートした。高校時から大学での学びに触れてもらい、将来のキャリア形成に役立ててもらうのが狙いだ。

対象は2年生の希望者で、講座は「中国学入門」や「国際社会と政治学」「メデイア学」「日本の小説を読む」など全8講座。生徒は同校の目の前に位置する二松学舎大学に赴き、大学の教員から講義を受ける。
「受講したほとんどの生徒は『面白かった』と言ってくれました。高校の授業と違って、大学の教員の授業は切り口が違い、新鮮だったのだと思います。この講座を通して、大学選びの参考にしてもらえたらと思っています」と車田先生。

従来から高大連携を強化している同校では、3年生の連携科目(自由選択)「書道」「中国語」は、二松学舎大学に進学した場合、大学の履修単位としても換算される。
二松学舎大学は2022年4月、文学部の中に歴史文化学科を開設予定。「日本史」「欧米・アジア史」「思想・文化史」の3つの専攻に分かれていて、古代から現代までの日本の歴史と文化を広く深く学べる。

 同校の四年制大学現役合格率は97・5%(2021年3月卒業生)、同じく進学率は80・6%を誇る。これからも生徒の大学選びを応援し、将来のキャリアへとつなげていきたい考えだ。

二松学舍大学附属高等学校  http://nishogakusha-highschool.ac.jp/