マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

「いきたい進路」実現で進路決定率95%以上!
大学進学だけでなく専門学校内部進学や通信制課程新コースなど
多様な価値観を認める教育を展開

京都廣学館高等学校

教育理念「人間の能力は生まれつきのものではなく その人の努力によって開発され、無限に伸ばされる」を掲げ、1957年創立の本部塾をきっかけに、1984年に南京都高等学校を開校。2013年に校名を京都廣学館高等学校に変更。「いける進路」ではなく「いきたい進路」へのサポートを徹底し、進路決定率は95%以上を誇る。グループ校として2つの専門学校があり、生徒の将来の選択肢は多彩だ。2024年度には通信制課程に新コースが誕生するなど、さまざまな取り組みについて瀧野博史校長に話を伺った。


少林寺拳法と坐禅の教えで
社会に貢献できる人材を

教育理念とともに、同校が重要視するのが、教育の目的「平和で民主的な国家及び社会に貢献できる人間を育成することを目指している」である。

さらに建学の精神具現化のため、少林寺拳法と坐禅を正課に採用。その理由は、少林寺拳法には「人間は育つ可能性を有する種子である」との教えがあるからだ。また坐禅には、「人は皆、可能性という珠をもち、その珠は自分で磨かないと光らない」という教えもある。その磨けば光る珠に気づかせることを目的に、心と身体に向き合い可能性への気づきにつなげるため、坐禅に取り組んでいる。

「とくに少林寺拳法の教えには、『自己確立』と『自他共楽』があり、自らが自立しつつ相手の成長も共有するという資質を意味するものです。そこで本校では、受験やクラブ活動、学校行事などにおいても、仲間と切磋琢磨し、助け合う精神を浸透させた学びを展開しています」と瀧野博史校長は語る。

「いける」でなく「いきたい進路」へ
多数の教員で多方面からきめ細かく

同校が標榜するのが、「いける進路」ではなく「いきたい進路」へのサポートだ。有名大学のブランドに惹かれるのではなく、生徒のなりたい将来像につながる進路へと導いていく。その一環として実施するのが、担任一人で生徒の進路を担当するのではなく、各教科の教員で進路に関する会議を開き、多方面的な視点でアドバイスを行う。大学や専門学校進学なら、その学校の校風なども考慮したアドバイスを実施。多角的にきめ細かく、教員やスタッフが一丸となって支える。

コースに関しては、アドバンスコース、ジェネラルコース、通信制コースの3つ。アドバンスコースは主に大学進学を目指す生徒向けで、勉強とクラブ活動の両立が実現できる。

ジェネラルコースは、大学や専門学校進学、就職とさまざまな希望に対応している。同コースの大学進学希望者は、総合型選抜や学校推薦型選抜入試を望む生徒が多い。

さらに同校の入試制度も興味深い。特色として挙げられるのが、「検定推薦入試」。英語検定や漢字検定、数学検定で3級以上の資格をもっていると、奨学生の対象となる推薦入試がある。

「入学後も検定試験の勉強に注力し、大学受験や就職に役立てています。検定試験を身近な目標にすることによって、取り組むべき内容が明確になり、ひとつずつ検定級をクリアすることによってモチベーションとなり、学力がつきます」と瀧野校長は語る。

自宅学習型の新コースが誕生
多様な生徒の学びを保証

2024年度、通信制課程における教育システムの進化も見逃せない。従来、制服を着用する通学型のコースだったが、来年度からは在宅型の新コースが誕生する。動画配信授業の学びを中心に、高校卒業に必要な単位取得を目指すものだ。特徴としては、通信制・集中スクーリングによる少ない登校日数で繰り返し学べる動画教材を用い、ICTシステムを活用した学習システムとなっている。さらに可能性を磨くための選択オプションを用意。対面での教育でないと社会に貢献できる人材が育たないという時代は終わった。通学ができないからといって教育の機会を失うのは、同校の方針から逸れる。

「価値観の多様性を認めるためのコースです。通学できなかったり、しづらかったりする生徒の学びの場を保証し、教育のセーフティネットの役割を担いたい」と瀧野校長。

生徒自らの可能性を広げ、人や社会に貢献する人材になれるよう、自らの意志で未来を切り拓くコースに期待したい。

人気校・京都動物専門学校と
京都福祉専門学校合格への近道

同校のもうひとつの強みは、関西でも有数の人気校である京都動物専門学校と京都福祉専門学校がグループ校であることだ。京都動物専門学校で目指せるのは、愛玩動物看護師やトリマー、メディカルトリマーなど。京都福祉専門学校では介護福祉士を目指すことができる。

京都動物専門学校では志望する生徒が増加。近年のAO入試では実質倍率が上昇して狭き門となっているが、京都廣学館高等学校で学ぶとグループ校への内部進学のため「合格への近道」となる。さらに、両校へ内部進学すると学費などが32万円免除。京都動物専門学校の愛玩動物看護学科なら3年制のため42万円もの減免が実現する。

「今では進路決定率95%以上を誇っていますが、すべての生徒が第1志望の進路へ進めるよう、より取り組みたいです。そのためにはクラブ活動を頑張る生徒の進路を一層確実なものにしたい。そして、協調生や精神力、体力という3つの『人間力』について、少林寺拳法と坐禅の教えを通じて養っていきたいと思います」と瀧野校長は熱を込めて語った。


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https://manavinet.com/west/2022_11kyoto_kogakkan/
京都廣学館高等学校 https://kyoto-kogakkan.mkg.ac.jp/