塾長のためのマンスリー☆スケジュール
地域No.1塾を目指す☆8月の業務ポイント
PS・コンサルティング・システム 小林 弘典
毎月の業務に焦点を当て、塾コンサルタントの小林弘典さんがアドバイスをします。
効率の良い年間スケジュールを組み立てる際にお役立てください。
「満足度の向上」に専念
まずは添付の図をご覧願いたい。経産省「特定サービス産業動態統計調査」を基に作成した、中堅大手学習塾1万余教場の、3月末と8月末の教場当たり受講生数の推移である。両者が連動していることがよくわかる。
2012年から22年までの、3月末に対する8月末の平均増加率は12・7%。中堅大手の多くは2月、3月に集客活動の大半を済ませてしまうので、8月末までの増加はこの程度に留まるが、中小塾の場合、夏期も一大集客期なので20%~25%は欲しい。皆さんの今年の状況はどうだろう。
集客の件はさておき、夏期講習に入ったらただちにアタマを切り替えて、次は秋につなげるために講習の「満足度の向上」に専念していただきたい。必要なのは確実に学力を伸ばす工夫と、伸びた学力を見える化させる工夫であろう。
モチベーションの意識化
学力は、やればどんどん伸びるというものでもない。もちろんやればそれなりに伸びはするが、自他ともに察知し得るほど伸ばすためには、①十分な学習時間と、②効率的な勉強のやり方、③学習動機(モチベーション)の意識化の3つが欠かせないと私は考えている。
①の学習時間については、募集時点で約束しているのでそう簡単に授業の延長などはできないだろうが、快適な自習室や飲食・歓談の場をつくるなどして、可能な限り職員の目の届く範囲での学習時間を増やしてほしい。
②の勉強のやり方に関してはここで申し上げることはない。ご自分の塾の手法をわかりやすく説明し、常にその通りにやるよう指導するだけでよい。
問題は③、学習動機の意識化である。「教育は他者を変えようとするお節介な営みなので、(中略)本人がその気にならないと、学習は進まない」という名言(広田照幸氏)があるが、このところ公立高の定員割れが続出している上に、大学の推薦入試が拡大しているためか、中学受験志願者などを除いて「やる気」のある子どもたちが激減している。
例えば、子どもたち同士の協調圧力を上手に利用するとか、些細なことでも褒めて褒めて褒めまくるなど、なんとかする方策を考えていただきたい。青臭いようだが私は、「勉強は自分のためというよりはむしろ、困っているヒトを助けられる人間になるためにやるのだ」と繰り返し伝えるのが効果的だと感じている。
学力を可視化する工夫
「モノ」が介在しないサービス業は、本人と保護者が「使用前」と「使用後」を可視化できるか否かが重要なポイントになる。講習の前と後とに、例えば今春の公立高の入試問題をやらせて点数を比べてみるとか、読み書き可能な英単語の数を比べてみるとか、同じ計算問題を同じ時間内でやらせて正答率を比べてみるなど、「伸びた」ことを数値で確認できる「なにか」を考えていただきたい。
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