マナビネットオープンスクール2024 ●掲載:塾ジャーナル2024年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

2050年の世界をデザインする人財育成を目指し
中高大一貫カリキュラムで「真の学び」を追求!

京都先端科学大学附属中学校高等学校

1925年に創立された京都先端科学大学附属中学校高等学校は、「世界の舞台に堂々と自分の意志で立ち、行動できる人を育てる」を建学の精神とし、大学も含めた学校法人永守学園の共通テーマ「京都発世界人財」の育成に力を入れている。学びのコアは、30年前から取り組んでいる全員参加型の海外研修旅行と、段階的に視野を広げ“ホンモノに触れる”独自の探究学習「地球学」。今回は、中3生全員参加の10日間カナダ研修旅行と2025年度新設の『先端グローバルコース』を取り上げ、それぞれお話を伺った。


●座談会参加者
中学部 部長 竹村 慎吾先生
中学部 担任 田村 ひかる先生
グローバルナビゲーターコース生徒
中学3年 多田 いつ華(ただ いつか)さん
中学3年 竹本 成偉人(たけもと ないと)さん
(以下敬称略)

かけがえのない異文化体験
中3生全員参加のカナダ研修旅行

──改めて、カナダ研修旅行の意義を教えてください。

竹村慎吾先生(以下、竹村先生) 本校が目指す「京都発世界人財」において、中学3年生で世界を経験することは、子どもたちのその後の人生を左右するほどの強烈なインパクトがあります。英語の学習はもちろん、人とのつながりなど、彼らの若い感性が異文化に触れたときどう感じるのか。生徒たちが今まで培ってきた価値観とはまったく異なるものに出会う経験は大変重要だと思います。

──現地でのコミュニケーションはスムーズにいきましたか?

竹本成偉人さん(以下、竹本) 英語はやはり難しかったですが、“伝えたい”という思いがあれば、単語やジェスチャーで十分通じます。そのやり取りが楽しくて、貴重な経験でした。

多田いつ華さん(以下、多田) ホストファミリーの方々に伝えたいことがあっても、伝達が難しい場面がたくさんありました。でも「頑張って伝えようという気持ちがあれば、なんでも伝わるよ」と事前指導で教えていただいていたので、全力で伝えたら、「こういうことね~」と理解してくれたのです。英語を学んでいて本当によかったと思いました。本校には13人ものネイティブの先生もいらっしゃるし、英語に触れる機会は多いですが、カナダという英語しか使わない場所で「えっ!私ってこんなに話せるの」ということが確認できて、自信にもつながりました。

──帰国して思ったこと、行動したことなど変化はありましたか?

竹本 もっと話せればよかったですし、話したいなと思いました。洋楽をよく聴くのですが、歌詞の内容が今までより理解できるようになりました。

多田 日本を訪れている外国人観光客で、日本のルールやしきたりなどを知らなくて困っている場面に遭遇すると、積極的に「こうなんですよ」と伝えて喜んでもらえるようになりました。

──思い出に残っている場所や出来事を教えてください。

多田 ホストファミリーは元気なおばあちゃんと猫1匹。最初は、どうやって関わったらいいのだろうと悩みましたが、一緒に料理をしておいしくできたときに、文化の壁を越えた気がしました。カナダのお友だちがランチタイムに誘ってくれたり、韓国の方とも話したり、留学の話題で盛り上がったのがとてもいい思い出です。

竹本 「Burn Dance」というダンスパーティがあったのですが、夕焼けをバックにとてもキレイな場所で、めちゃめちゃ楽しかったです。日本で練習をしてきた「京炎そでふれ」をパフォーマンスする日でもあったので、緊張しましたが現地で会った留学生たちが盛り上げてくれて嬉しかったです。日本ではあまり経験できないようなことばかりで一生の思い出になりました。

──これからの抱負と後輩たちへのアドバイスをお願いします。

竹本 もっと英語を話せるようになって、海外の友だちが来日したときに日本のことを紹介し、案内してあげたいです。僕自身は、海外の研修旅行を通して、将来の選択肢が増えました。英語を使う仕事ができたらいいなと思います。後輩には、今後の定期テスト、小テストも全部頑張ってください!

多田 自分らしく、楽しい人生を過ごしたいので、英語と関わる仕事がしたいです。そのために、これから何をすべきか考えて過ごそうと思います。後輩には、後悔しないようにさまざまな場面を想定して考え、備えて、全力で楽しんでください!

──10日間の研修、先生からご覧になっていかがでしたか。

田村ひかる先生 担任として、中1から成長を見てきた家族のような生徒たちと一緒に海外に行けて嬉しかったです。日本にいるときよりも、みんな自分らしさを発揮していました。必死に伝えようとする前向きな姿勢も見られました。「もう1回行きたい」「カナダの高校に進学しようかな」と話す生徒たちを見ながら、英語は人生を豊かにしてくれるツールだと改めて感じました。高校の海外研修も楽しみです。

2025年「先端グローバルコース」新設
実践的な英語力を強化し
全教科で探究的な学びを導入

独自の探究学習「地球学」を軸に、生徒一人ひとりの適性や強みを引き出す多彩な教育プログラムを展開している同校。100周年を迎える来年度、大学や企業との連携をさらに深め、今まで培ってきた学びの質をより究める「先端グローバルコース」が新設される。

学びのポイントは、実践的な英語力を身につけること。すべての英語授業がネイティブ教員主導型であり、中3全員が5か月間のカナダ・ターム留学をし、高2全員が海外トップ大学での入寮型短期研修を受ける。

こうした手厚いグローバル教育をベースに、京都先端科学大学工学部やバイオ環境学部と連携したSTEAM教育、感性を磨き創造力を育てるアート教育、大学教員のサポートによる探究/研究活動、高校3年での大学先取授業の受講(全員)など、すべての教科で探究的な学びの手法が導入される。アカデミックで深い学びを追求するのが特長だ。

「本校が目指す教育は、『2050年の世界をデザインする人を育てる』ことです。これまでの教育が子どもに知識を教え、“地図を手に目的地に行く人”を育てることだとすると、私たちは、子どもが成長する機会をあの手この手で提供し、“地図そのものを創る人”を育てる教育を目指しているのです」と教頭の山田尊文先生は話す。

未来はたどり着くものではなく、自らが描き出す地図の中にこそあるという、力強く、希望あふれるメッセージとともに、京都先端科学大学附属中学校高等学校の“真の学び”に寄せられる期待は大きい。


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京都先端科学大学附属中学校高等学校 https://www.js.kuas.ac.jp/