塾長のためのマンスリー☆スケジュール
地域No.1塾を目指す☆9月の業務ポイント

PS・コンサルティング・システム 小林 弘典

毎月の業務に焦点を当て、塾コンサルタントの小林弘典さんがアドバイスをします。
効率の良い年間スケジュールを組み立てる際にお役立てください。

部活動引退と受験勉強

夏休み前に運動部の地域大会はほぼ終了。中3生の多くは部活動から離れる。周知のように部活動がなくなった9月の中3生は、時間を持て余して生活リズムを狂わせることが多い。NHKの調査によると、昨年度の中学生の運動部参加率は全国平均で59・6%。コロナ禍もあったためか以前よりずいぶん低下しているが、それでもそうした中3生は6割にのぼる。1日でも早く本格的な受験勉強に取り組ませなければならない。有効な方策を3つ提案しておく。

◇中3生受験準備説明会
塾生が在籍している中学校や自塾の行事予定表などを使って、今後半年間の高校受験に向けたスケジュールを説明する。いつまでに出願校を決定しなければならないか、出願校判断に用いられる資料は何なのか、学校推薦や一般入試の仕組みはどうなっていて、いつ行われるのか等々について、意外に子どもたちはわかっていない。

◇志望校選択のための勉強会
通学可能な範囲の高校についての勉強会。進学実績や部活動の実態、学費、制服、通学手段等々、こちらも詳しく説明する。当該各高校に自塾出身者がいれば話に来てもらう手もある。希望者を学校見学に連れて行ってもよい。

◇放課後自習室
放課後、ただちに塾に来て勉強のできる自習室を設置する。取りあえずは学校の宿題、そのあとはなにをやらせてもよいが、助言と管理はキッチリと。塾で授業のある日はそのまま残って授業に出席。ない日は他学年の授業が始まる7時前に帰宅させる。お腹がすくようなら飲食も可。こうした自習室の使用は無料か、有料であってもごく低料金で。脅かすつもりはないが、とりわけ中小規模の塾にとって今年度は正念場になると私は考えている。採算を度外視しても地域から高評価を得なければならないときがある。

中学英語準備講座

1月13日付の朝日新聞「EduA」に興味深い記事が出ている。2013年度と21年度の文科省「全国学力・学習状況調査」をみると、英語が嫌いという小6生が23・7%から31・5%へと急激に増えている。5、6年生で習う英語は19年度まで「慣れ親しむための外国語活動」だったが、20年度に「テストや評価を伴う教科としての外国語」に変わった。それが原因ではないか、というのである。

その通りであろう。子どもたちにとってペーパーテストにつきものの、「読み・書く」英語がいかに負担かがよくわかる。にもかかわらず、近年「話す・聞く」部分が大幅に増えたとはいえ、中学校ではいまだ「読み・書く」英語が中心と言ってよい。そこで、とくに公立中学に進学予定の小6生を対象に、中学英語の準備講座を開設したい。すでに会話中心の小学生英語を開設している塾の場合、指導内容を「中学英語の先取り」に変えていくことも検討を。

その他の留意事項

◇講習生面談
「使用前」「使用後」のデータを材料に面談。保護者を加えた三者面談が望ましい。

◇職員慰労会
講習終了後の早い時期に夏の労をねぎらう慰労会を。職員研修を兼ねてもよいが、とげとげしい空気にならないように注意する。

10月の業務ポイントは9月公開予定です

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