マナビネットオープンスクール2022 ●掲載:塾ジャーナル2022年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

新校舎から始まる、未来の教育
新生・SHODAIがスタート

千葉商科大学付属高等学校(千葉県)

エントランスから続く大階段は、新校舎のシンボル。壁には千葉商科大学付属高校の歴史を紹介する写真を展示


今年度から普通科「特進選抜クラス」と「総合進学クラス」、商業科の新クラス体制となった千葉商科大学付属高等学校。昨年7月にⅠ期校舎が完成した新校舎のコンセプトは「未来・地域・生徒」の3つのつながり。天井から自然光が降り注ぐ吹き抜けは、各校舎をつなぐ場所。そこにある大階段は生徒の交流の場だ。省エネを実現した最新式の校舎は地域の防災拠点でもあり、近未来を体現している。そんな同校への期待から、今年の入試は入学者が大幅に増加。浅川潤一校長に学校の今をインタビューした。


最先端の校舎が魅力
入学希望者が増加

「新校舎はとても明るく、生徒だけでなく保護者の方にも大変喜んでいただいています。特に広々とした吹き抜けのエントランスは、来校した方々からも高い評価をいただいています」と話す浅川潤一校長。

昨年9月から新校舎での学校生活がスタート。ホームルーム教室のほか、図書室、多目的メディア教室、理科室などを利用している。

この校舎は、高校としては全国初となる「ZEB Ready」を取得。ZEBとは「ゼロエネルギービルディング」の略で、建物のエネルギー消費を基準エネルギー消費量に比べて50%以上、75%未満削減させた建物のこと。心地よく快適な空間は、地球にも優しい建物だ。

加えて全館にWi-Fiを完備。生徒1人が1台ずつパソコンやタブレット端末を使用しても、ストレスなく授業が進められている。

浅川校長は「ICTをさらに活用するため、先生方も校内研修を重ねています。各先生方が工夫して教材や資料を作成。それを各教室に設置された大型モニターに映したり、タブレットに配信することにより、見やすくわかりやすい授業を展開しています。ICTを活用していない授業はほとんどありませんね」と話す。

これらの取り組みにより、授業の効率化やペーパーレス化、視覚化ができ、生徒の理解にも良い影響を与えている。ほかにも、コロナ禍で休校や急な欠席になった場合、Microsoft Teamsを使用した双方向ライブ配信授業を行える準備も整えている。

新校舎や、千葉商科大学との高大連携・高大一体教育に期待が高まり、この春の入試では、受験者・入学者共に昨年度以上に増加した。

特に商業科では、単願だけで定員を超過したほどの人気。女子の入学者も例年に比べて大幅に増えた。また、今回の入試から全受験生に学力検査を実施したこともあり、「入学者の学力も着実に上がりました」と、浅川校長は手応えを感じている。


(左)充実したICT環境で、1人1台のiPadを使った授業を展開
(右)明るい新校舎のホームルーム教室。黒板の代わりにホワイトボードを設置している

企業とコラボして
新たな価値を創造

今年から新しいクラス制となった同校。特進選抜クラスは千葉商科大学への100%合格保証(条件あり)を確保しながら、難関大学を目指すクラス。総合進学クラスは千葉商科大学を中心とした中堅大学が目標。一定の条件をクリアすれば、2年次に特進選抜クラスへ変更できる。商業科は大学と検定の、ダブル合格を目指す実学重視のクラスだ。

これまでも地元企業との商品開発に取り組んできた商業科では、今年度よりプロジェクト名を「商品開発プロジェクト」から「価値創造プロジェクト」に改称。道の駅いちかわをはじめとする11社の企業と協働で活動を進めている。これまでにZOZOマリンスタジアムで販売されるお弁当の開発などを経験した。

今年度の商業科に与えられたのは、「道の駅いちかわに新たな特産品を」というミッション。「商品を開発する」だけでなく、「新たな付加価値を創造する」をテーマにプロジェクトに取り組んでいる。

浅川校長は「プロジェクトを通して,地域社会に貢献しようとする心や、自分や社会の将来について考えようとする心を育めるようにしていきたいですね」と語る。

新学習指導要領により、2022年4月から高校の公共および家庭科では「金融」や「資産形成」についても学ぶことになった。お金に対する教育への関心は高まる中、同校では商科大学付属校の強みを生かし、さらに一歩進んだ教育を実践している。

「従来からのSDGs教育に『金融リテラシー教育』を加え、千葉学園(千葉商科大学・千葉商科大学付属高校)としての2つの教育の柱を立てました」と浅川校長。

1つは、2022年度入学者から、新科目の公共および家庭科で扱うだけではなく、3年次に金融リテラシーを「総合的な探究の時間」でも全生徒が学ぶことにした。

もう1つ、千葉商大と親和性の高い3年次の「総合探究」と、商業科の「総合実践」においても金融リテラシー教育を実施する。

「これにより付属高校から千葉商大に進学した生徒は、他校から入学した生徒に対して大きなアドバンテージを持つことになります」と浅川校長。高大連携の強いつながりが、大学での学びもサポートすることになる。


商業科の生徒たちが、「道の駅いちかわ」に出店している地元企業10社と協働し、オリジナル商品と販促企画を考案

世界に飛び出せ!
スポーツで日本代表

部活動では、世界を舞台に活躍する生徒が続々登場している。男子バレーボール部3年生の美保幸輝君は、6月3日から開催された第4回アジアU19ビーチバレーボール選手権大会(於:タイ・ローイエット)に日本代表として出場。男子バレーボール部も6月4日からの関東大会に出場した。

ほかにも、ワンダーフォーゲル部の藤野柊斗君は、スポーツクライミング日本代表として5月20日から開催されるIFSCクライミングワールドカップ(種目:スピード 於:アメリカ・ソルトレイクシティ)に出場。

卓球部も男女揃って6月3日から開催される関東大会に団体・個人で出場するなど、部活動でも生徒たちは躍動している。これからもSHODAI生の活躍に注目が集まりそうだ。

学校法人 千葉学園 千葉商科大学付属高等学校 https://www.hs.cuc.ac.jp/


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