アットホームな雰囲気に入学志願者も増加
「学習」「部活」「行事」の三兎を追う生徒を応援
二松学舎大学附属高等学校
1887(明治10)年創立の、夏目漱石も学んだ漢学塾を始祖とする二松学舎大学附属高等学校。靖國神社や千鳥ヶ淵、日本武道館などが近いキャンパスは大学にも隣接し、都心にありながらも緑豊かで閑静な環境も魅力だ。教育目標は「学習」「部活」「行事」の三兎を追う生徒の「心を育て 学力を伸ばす」こと。心と生きる力、人間力は、二松学舎大学附属校ならではの伝統の「論語」授業で育まれている。近年、出願基準が上がったにもかかわらず入学志願者が増加している。そんな同校の魅力について、鵜飼敦之校長にお話を伺った。
「おはようカウンター」で
毎朝生徒と交流
校長の鵜飼敦之先生が二松学舎大学附属高等学校に着任して1年。鵜飼校長は長年都立高校で日本史の教員として教壇に立ち、その後、東京都教育委員会で学校支援や教員研修に携わってきた。
「私自身、新しい環境だったので、学校の中まで実際に足を運んで目で見て、『どんな生徒たちなのだろう?』と確認していきました」
鵜飼校長の日課は朝8時前の廊下の窓開けから始まる。そして全教室を覗いてから玄関へ移動し、登校する生徒たちに挨拶。
「教室には7時半頃から登校して来る生徒もいます。また、玄関ではカウンターを持ち、挨拶を交わした生徒の数を計るのも日課です。『おはようカウンター』と名付けたカウンターは、多い時で600名近くを数えることもあります。本校の全校生徒は752名なので、約8割の生徒と玄関で挨拶を交わしていることになりますね。本校の生徒は真面目で優しい。挨拶もみんな目を合わせて返してくれる。さらに、フランクで気さくな面も持ち合わせています」
近年入試では出願基準を上げているが、志望者は増加。新入生に同校を選んだ理由を聞くと、「生徒や先生関係なく、話しやすく相談しやすいアットホームな雰囲気に惹かれた」という返事が多かったとか。
「学校選びでは学校の雰囲気や校風を大事にすると思います。本校では何回かに分けて説明会を行い、在校生のナマの声を聞くことができる機会を設けたのが功を奏したのだと思います」
一般入試での
他大学進学も応援したい
生徒たちに「授業を大切にしなさい」と伝え、授業見学も積極的に行っているという鵜飼校長。
「すべての先生が授業を疎かにしない。新しい学習指導要領に対応して、主体的で対話を大切にした学びを実践しようといろいろ工夫されています」と感心する。
二松学舎大学の附属校として特徴的な授業が、3年間を通じての「論語」や高2の高大連携の授業だ。
「『論語』で心や生きる力、人間力を育てています。高大連携では大学の先生が高校生向けにアレンジした『文学』や『政治学』『歴史学』などの授業を行います。これらの授業では大学の授業の雰囲気を知ってもらうことが目的です。『中国語』と『書道』は大学の授業そのままです。二松学舎大学に進学した際、単位として認められます」
他大学への進学希望者のフォローもきめ細かい。それは国公立大や難関私立大にもチャレンジしてほしいという思いからだ。
「生徒の学力を上げたい。そのためには新入生のうちから『自学自習』の習慣を身につけさせたいですね。また、今は学舎という校内予備校をやっていますが、さらに放課後や補習の時間について考えたいと思います」
盛んな部活動
野球部は4季連続甲子園出場
「部活動に魅力を感じ、入学する生徒も多いですよ」と言う鵜飼校長。クラブの数は34。中でも有名なのが4季連続甲子園出場を果たした野球部だ。
「私が着任してからも昨年の夏、今年の春と2回行っているのですよね」と嬉しそうに語る鵜飼校長。
「昨年秋の東京都秋季大会は神宮球場に、春の甲子園へも全校をあげて応援に行きました。みんなで校歌を歌うことで全校生徒一丸となり、愛校心が生まれます。そういった意味でもこれからも野球部には頑張ってくれることを期待しています」
全校応援で神宮球場に行くことができるのも、キャンパスが都心にあるという立地の良さだからこそ。その地の利を生かした授業が、3学期の体育で行われる皇居ランや持久走大会、フィールドワークだ。
「皇居ランは1周約5㎞ですが、最高裁判所や国会、東京駅などの名所を見ながら走ります。フィールドワークは高1と高2で二・三学期末の3日間、九段界隈にある警視庁や東京地方裁判所、読売新聞社、靖国神社などに分かれて実地調査を行い、レポートなどにまとめます」
人工芝のグラウンドが姉妹校である千葉県柏市の、二松学舎大学附属柏中学・高等学校近くにあり、年に5回「柏集中体育」を実施している。
「本校の生徒が柏中・高の校長先生に『広くて良い環境ですね』と伝えたところ、逆に『君たちの学校は都心にありアクセスが良いではないか。どちらも一長一短だよ』と返されたそうです」
さまざまなことに挑戦し、切磋琢磨し、
生きる礎を築く3年間であってほしい
新型コロナ感染症も少し落ち着き、昨年からは海外留学なども復活し、徐々に以前の生活が戻りつつある。
「国際交流プログラムもコロナ禍前に単純に戻すのではなく、かつての経験を生かしながら時代に合ったものにしていきたいですね。今年は台湾研修旅行も久しぶりに実施する予定です」
いろいろなものに興味を示しながら、「学習」「部活」「行事」と三兎を追う生徒が多いという。たとえば生徒会長は、チアリーダー部に所属しながらボランティア同好会に入って手話も学んでいる。
最後に鵜飼校長に生徒に対する思いを伺った。
「勉強だけでなく部活や行事など特別活動にも積極的に参加して、生徒同士切磋琢磨してほしいです。また、私が説明会で必ず言うのは『人生100年。100年の中の高校3年間なんて短いと思いますが、その3年間で学ぶこと、感じることはその後の人生、生きていく上での礎となると思います。この3年間で先生や友だちといろいろな話をし、いろいろな考え方を吸収し、自分を磨いてこれからの人生をどう生きていくのか。そこにつなげていってほしい』ということです」
抜群の環境の中、高校生活を謳歌したい生徒には最適な高校だ。
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https://manavinet.com/east/2022_7nishogakusha/
二松学舎大学附属高等学校 https://www.nishogakusha-highschool.ac.jp/