マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

海外との活発な交流で真の国際人へ
文武両道で国公立大学への合格者も

大成中学・高等学校

「正明和信」を旨とし、95年の伝統と実績を誇る愛知県一宮市の伝統校、大成中学・高等学校。「一宮から世界へ」を掲げ、生徒一人ひとりと向き合うテーラーメイドの人間教育・学習指導を実践してきた。グローバル教育と探究型学習、ICTリテラシーを育てることに注力し、アントレプレナーシップの礎を築く実践的な活動を行なっている。コロナ禍でも学びを続け、「グローバルフューチャーコース」では、コロナ禍の3年間においても休止することなく留学を実施してきた。そんな中、国公立大学合格率は順調に上昇。今年度も名古屋大学ほか多数合格者を輩出している。


海外への修学旅行が今年から復活
語学研修や留学生受け入れも再開

大成中学・高等学校はコロナ禍でも国際交流を続け、特に「グローバルフューチャーコース」では渡航制限がある中でも留学を実施してきた。昨年は海外語学研修に参加した生徒が大学受験で評価を受けるなど、留学期間や渡航先など細かな調整と手配を繰り返して留学や海外研修を実現させた教員たちの並々ならぬ努力が認められた。コロナ規制が緩和される今、海外研修に再び力を入れ、「ステューディアコース」の5年生(高校2年生)は、この夏オーストラリアへの修学旅行を実施した。

アメリカ語学研修、カンボジア社会貢献活動、モンゴル交換留学など、多くの海外研修も再開する。姉妹提携している「新モンゴル小中高一貫校」から1名の生徒が本校へ、15名の本校生徒が6日間の交換留学に参加。オーストラリアとも交換留学を実施している。留学生の受け入れも活発で、先日はチェコからの柔道留学生が5名訪れ、1ヶ月滞在。柔道部で学び「また来たい」と喜んで帰国したという。

ロータリークラブの支援による「インターアクトクラブ」では、今年オーストラリアに海外派遣される生徒が2名選ばれた。また、文部科学省が支援する留学プログラム「トビタテ! 留学JAPAN」に挑戦した生徒が3名全員合格し、それぞれイギリス、フィンランド、スペインへと留学する。同校では、常に海外への興味と視野を広げる教育を行なっているため、校内には留学を通じて自分の将来を開拓しようとする空気があるという。

また教育活動支援金制度という奨学金制度によって、語学留学を希望する生徒もサポートしている。これらの活動はすべて、生徒たちが国際視野を広げるため、保護者からの強い支持と理解があるからこそ実現しているという。少人数制の学校だからこそ可能な、一人ひとりに合わせた細やかな対応が、大成中学・高等学校ならではの国際交流システムをつくり上げている。

増加を続ける国公立大合格者
部活動との「文武両道」も実現

大成中学・高等学校の学びのコースは4つ。前出の「グローバルフューチャーコース」は高校1年次から1年間のカナダ留学を経て、高校3年間で卒業できる国際理解コース。20名の少人数クラスのため、きめ細かなフォローで英語教育から異文化理解、日本文化までも掘り下げていく。卒業後は海外の大学や名古屋大学・上智大学などの難関大学への進学実績がある。

中高6年一貫教育で国公立・難関私立大学を目指す「ステューディアコース」は、今年度名古屋大学への現役合格者を4名輩出した。このコースへの編入コースである「ラトナディアコース」出身生徒からも、名古屋大学をはじめとする国公立・難関私立大学の合格者が多数出ている。

「プラウディアコース」は部活動と大学進学の両立を目指す。同校は文武両道を奨励し、生徒の8割が部活動に所属している。従来のテーラーメイド・メソッドに加え、ICT教育の充実、探究型学習の実践と発信、全員参加の小論文講座、英語速読速聴講座など、生徒の要望と学習効果を重視したカリキュラムとなっている。

昨年はプラウディアコースから2名国公立大学へ合格した。1人は強化部であるサッカー部で活躍しながら見事合格を勝ち取り、「文武両道」を実現した。「本校が目指している成果がでてきた感覚です。これからも文武両道の生徒たちを育てていきたい」と、城金明生高校第二教頭は語る。

また、「ICTの活用で生徒たちに変化が起こっている。今まで大人しかった生徒が、ネットを通して積極的に発言。教員との交流をするようになり、学習成果も上がりつつある」という。生徒たちの嬉しい変化はICT教育の副産物である。

年々高まる合格率や、面倒見の良さをうたうクチコミも相まって、今年6月に行われた保護者対象説明会にはこれまでの2倍以上の参加者が集まった。受験生やその保護者から熱い期待をもって注目される様子がうかがえる。

少人数制の献身サポートが
最善の教育環境を実現

「大成」といえば、オリンピック選手を輩出している柔道部が有名だが、準強化部のサッカー部と硬式野球部も現在メキメキと実力をつけてきている。サッカー部は昨年の愛知県インターハイ予選で県3位となった。その影響もあり、サッカー部体験会には想定以上の約70名が参加した。多目的グラウンドの増設(平成4年)以来、人工芝はすでに2回張り替えられ、専用グラウンドのように使用されている環境の良さも、高校でサッカーに取り組みたい生徒に評判だ。

「説明会やサッカー部体験会にも熱気を感じます。本校ではスポーツクラスはあえてつくらず、学業と両立させたスポーツを奨励しています。スポーツを頑張りながら大学進学を目指す生徒たちに魅力を感じてもらえるよう意識して教育環境の整備に注力しています」(足立誠理事長・学校長)

ほかにも生徒たちの意見を取り入れ、時代に合わせてダンス部やeスポーツ、鉄道研究会などの立ち上げを行い、多様な興味をもつ生徒たちにアピールする。

「本校のような少人数制クラスのメリットは、フットワークが軽いということと、個々の生徒に多くの教員が関われること。教員が生徒一人ひとりをよく理解し、何かあれば気軽に声をかける。それが面倒見の良さにつながり、本校の強みとなっていると感じます」(髙木浩正高校校長補佐)。

教員の献身的なサポートは、生徒たちの進路実現に力強く寄与している。一人ひとりの生徒と向き合い、最善の教育環境を実現している大成中学・高等学校に、これからも熱い視線が注がれ続けるに違いない。


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