ハイブリッド教育で進化が加速!
多様性あふれる仲間と、
未来を創る自己成長の実感こそ、学校の真価
学校法人静岡理工科大学
星陵高等学校
毎朝の「20分の挑戦」では英検対策や主要科目の基礎力向上、進路実現の対策を行う。生徒それぞれの目標達成に向けて能動的に努力を重ねる時間
国公立・私立問わず難関大学への高い進学率を誇る星陵高等学校は、幅広いコース設定で多様化した進路に対応し、PBL(問題解決型学習)と協働を通して「解なき時代」を生き抜く力を育成。ポストコロナ時代を見据えたオンライン型と対面型のハイブリッド教育を推進している。生徒と教員は学校生活のあらゆる場面で「他者とどのようにつながるか」「社会で自分をどう生かすか」積極的に自問自答を続けている。「成長なくして成功なし」――星陵式オーダーメイド進路指導の「今」に注目!
ICT教育の即応力が高評価!
一般・推薦ともに強い星陵
昨春2月末、星陵高等学校は新型コロナ感染拡大による休校要請を受け、ただちにオンライン授業をスタートさせた。教員たちの即応力、それを支えたICT教育の充実度は静岡県内でも突出していた、と渡邉一洋学校長の声に自信がみなぎる。
「生徒の学びを守りたい一心で必死に行動した結果、他校との差が明確になり、それが多くの方々に伝わったようです」
同校は普通科・英数科の2学科の下、複数のコースを設置している。国公立・難関私立大学進学実績県下トップクラスの英数科総合コース、得意科目を重点的に学習する英数科英数コース。普通科には大学・専門学校への進学を目指す進学コース、地元有名企業への就職を目指す普通コースがある。法人内専門学校への進学者数も毎年多数になる。地域からは「変化に強い」「SDGs教育が進んでいる」など、最先端の教育環境を提供している学校、将来の夢を描ける学校、として評価されている。なかでも英数科の志願倍率は毎年高く、今春も県内私立高校のうち全県でトップクラスの5・04倍という数字を叩き出した。
今春の進学実績は、京都・北海道・名古屋・東北などの難関国公立大学をはじめ国公立大学62名、早慶上理・医学部25名、GMARCHクラスの難関私大には62名が合格。これでもコロナ禍の影響で遠方の受験が減ったため、例年よりは控えめな数字とのこと。近年は、保護者・受験生ともに指定校推薦への関心が高く、同校でも学校推薦型選抜での受験を希望する生徒保護者は少なくないという。とはいえ学校推薦型選抜・総合型選抜いずれも探究などの活動実績に加えて、大学入学共通テストでの得点を要件に課す大学が増えている、と語るのは入試広報課長・佐野北斗先生。
「一般入試を突破できる学力と、学校推薦型・総合型選抜で求められる高い思考力と行動力。その両方を指導できる力が学校に求められるわけですが、そこで戦える生徒を育てるのが星陵です」
「星陵ラボ」ではバイオメタン生成、画像認識システム開発、錆を使った非平衡界面化学研究、カワノリ再生プロジェクト、航空工学の研究などが進行中
成功の影には成長がある
自問自答と自主自立がカギ
星陵は、生徒に最適な受験スタイルを提案する進路指導力に定評がある。学力や個性の表現の発露は生徒各自で異なる。その適性を見極めることでオーダーメイド型の受験スタイルが成り立つ、と渡邉校長。星陵生たちの武器は「偏差値だけではない」と強調する。学校推薦型選抜で名古屋大学経済学部に合格した生徒は、英語のリーディングで高得点を獲れる力に加え、SDGsの研究成果が高く評価された。総合型選抜で関西学院大学総合政策学部に合格した生徒は、「オンライン星陵祭」で披露した「2035年のポストコロナ社会を想定した探究学習」の研究成果が認められた。
「現在進行中の社会事象や、学習者の自分をメタ認知化して研究対象にしてしまうところに頼もしさを感じます」と渡邉校長の顔もほころぶ。生徒が選択肢に挙げた学部・学科が求める力に合わせて、教員たちも学びの方向性を変える必要がある、と佐野先生は考えている。
「その子が本当に生きる、戦えるところとマッチングすることが成果につながる。生徒が研究したいことと大学が求めることが合致するかは、学業データ以外に、勉強に向かう姿勢や、行事での協働性、行動力など、あらゆる場面で教員たちが生徒を見ていないと判断できません。研究も進路も生徒が自分自身でつかみ取るもの。学ぶ自由を確保し、自主自立を大いに発揮できる環境を整えるのが我々の仕事です」
佐野先生の国語の授業では、感染症流行下に起きた偏見や排斥行動の裏にある心理分析、コロナ禍を舞台にした小説の創作で伝える力・批評力を鍛えている。小論文対策の課題文を探究学習に展開するなど教科横断的な取り組みが、生徒のアンテナを高めるという。社会や他者とどうつながるか――生活の様々な場での自問自答が、星陵生の成長を促す秘訣だ。
(左)2回目となる「オンライン星陵祭」ではSDGsを共通テーマに多様な切り口で持続可能な社会への提案を行う。動画の訴求力は教員も感服する出来栄え
(右)静岡理工科大学と連携し、先進的研究を行う「星陵ラボ」は環境大臣賞、ロケット甲子園優勝など数多くの賞歴と助成金を獲得。体験講座は小学生に大人気
多様な人間環境が育むもの
高校3年間の満足度とは?
昨春、休校にあたり渡邉校長は全校生徒に宣言した。「『休暇』ではありません。『学び方を学ぶ。考え方を考える=PBL』のための時間とします」。
1年後の今年3月、卒業生代表の芦澤真優さんは答辞に寄せて「今だからこそできることを考えながら過ごした」と語った。新しい生活様式における創造への挑戦は「オンライン星陵祭」という形で現高3生に引き継がれた。SDGsの視点で社会に潜む問題に迫り、解決へ導く魅力ある動画が今年も揃い踏み。昨年「同じ準備期間なのに、先輩たちの企画力と行動力、完成度の高さに圧倒された」と唸っていた代が1年の時を経て先輩たちを凌駕する作品を創り上げた。リアルとオンラインのハイブリッド型の学校生活は、星陵生の新しい日常になりつつある。
こうした先進的な試みが際立つ星陵を志望し、入学するのは「地域のごく普通の、まじめで素朴な子たち」だ。彼らが星陵での3年間を経ると、保護者が驚くほどの成長を遂げる。その土壌には、多様な進路を志す生徒が協働を通して考え方を深めたり、文系理系合同のクラスメイト同士が補い合い、支え合う人間環境がある、と佐野先生。
(左)スマートフォンやタブレットを使ってインタラクティブな学習空間のなかで発展的な授業を行っている。質問や問題提起、感想などもクラス内で共有
(右)小学生対象「星陵ラボ体験プログラム」では高校生が講師となってレクチャー。先輩の姿に憧れて入学するリピーターも多い
「人は様々なつながりのなかで生きています。つながりから他者への尊重や感謝が生まれ、自己を磨き、成長させる原動力になる。3年間でどこまで成長できたか、それを生徒自身が実感できたか。それが高校3年間の満足度です。数値化は難しいですが、地域の方々の評価や、兄弟姉妹で星陵を選んでくれることに表れているのかなと思います」
校歌に「潔き青春 眉あげて 自立の道を歩みゆく」という一節がある。逆境や理不尽な状況に遭っても、諦めずに自分たちなりの青春を送り、パラダイムシフトの時代を力強く生き抜く星陵生たちの矜持がそこにある。
学校法人 静岡理工科大学星陵高等学校 http://www.starhill.ed.jp/hs
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https://manavinet.com/east/starhill/