地域No.1塾を目指す☆8月の業務ポイント

PS・コンサルティング・システム 小林 弘典

毎月の業務に焦点を当て、塾コンサルタントの小林弘典さんがアドバイスをします。
効率の良い年間スケジュールを組み立てる際にお役立てください。

講習生の継続入塾

下の「表」をご覧願いたい。「受講生数」は大手塾の教場あたり月末受講生数の推移で、講習生を含んでいる。「増減率」は上段が6月末の受講生数に対する8月末の、下段は8月末の受講生数に対する9月末の受講生数の増減率。経産省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに算出した。

まずは6月末の受講生数を見ていただくと、15年度から19年度まで微減程度できたものが、20年度は新型コロナ禍で激減。翌21年度はその反動で激増、22年度、23年度と再び減少しているのが分かる。8月末の受講生数も同様の傾向。ただし、22年度、23年度の減り方はより激しい。

このことは6月末に対する8月末の増減率でも確認できる。15年度から19年度まで9・2%増~10・5%増できたものが、22年度は8・7%増、23年度は7・0%増に留まっている。

夏期講習からの継続状況はどうかというと、9月末の受講生数は6月末、8月末とやはり同様で、20年度、21年度と急減急増したものの22年度、23年度は元の長期微減傾向に戻りつつある。対8月の増減率は通常、講習単発で参加する児童・生徒がいるためマイナスになるものだが、19年度、20年度、23年度はプラスになっている。理由はよく分からない。

以上の結果から推測すると、今夏は夏期講習生の数が減るだけでなく、キチンと対策を講じなければ講習後の継続入塾者も減少する可能性が高いと考えるのが自然。では、どうすれば継続入塾率を上げて秋の受講者数を増やせるのか。アイデアを2、3、記しておく。

【声掛け】 入退室の際に生徒の目を見て明るく挨拶するのは当然のこととして、教職員全員が軽く声掛けを行う。教職員に親近感をもってもらうことが継続への第一歩。

【受講生の保護者への連絡】 子どもを講習に送り出した保護者は子どもの様子がなにかと気になるもの。講習開始後数日たったら、メールあるいはスマホのメッセージなどを利用して、明るく楽しく勉強している旨をお知らせする。電話でもよいが先方の迷惑にならない時間帯に手短に。

【夏休みの宿題の管理】 小中学生にはたいてい学校から宿題が出ている。講習後半に入ったら済ませているかどうかを確認し、終わっていないようなら講習時間外に空いている部屋などを使ってやるよう指示する。

【休み明けテストの対策】 休み明けにテストを実施する中学校は多い。講習の中にテスト対策を組み込んでいるところは別として、そうでないところは講習時間外に塾で対策自習をするよう促す。

【保護者面談・生徒面談】 講習終盤あるいは講習後、速やかに保護者面談を行う。本来は講習を受け付けた時点で講習後の保護者面談を組んでおくのが理想だが、できていない場合は講習中盤に申し入れる。生徒面談は授業時間の前後を利用して5分だけでも可。

9月の業務ポイントは8月公開予定です

◆購読申込に関するお問い合わせはこちら
 https://manavinet.com/subscription/

◆『塾ジャーナル』に関するご意見・ご感想はこちら
 https://forms.gle/FRzDwNE8kTrdAZzK8

◆『塾ジャーナル』目次一覧
 https://manavinet.com/tag/jukujournal_mokuji/