掲載:塾ジャーナル2022年7月号

【特集】
英語が大好きになる素敵な魔法!

ふくし英数教室 塾長 福士 明美


「地域の子どもたちが通いやすい学習塾とは?」「私なら息子たちを通わせるだろうか?」と常に自問自答しながら、塾名にもあるように、英語・数学指導に重きを置いた学習塾を自宅で始めて25年が過ぎました。

恩師のあとを受けて、近くのカルチャースクールで20年間子ども英語の講座を担当し、保育園2ヵ所で2年ずつ英語を教えました。特別非常勤講師として息子たちが通った小学校で3・4年生の英語を担当するのも、今年で14年目になりました。

青森の英語事情

英語を始めるのはいつ頃からがベストなのか?
早く始めることのメリット・デメリットがいろいろと言われていますが、今から15~20年くらい前の青森では、早期英語教育に関してはまだまだ消極的で否定的な受け止め方が多かったように思います。

職員室で先生方に「小学校で英語が始まったことを保護者の皆さんはどのように受け止めているのか? 英語教室に通わせようとしているのか?」と伺ったところ、「お母さんたちは、中学校で英語が始まる前に小学校で英語を教えてもらえてラッキーという受け止め方のようです。英語を習わせたいというお話は聞かないですねぇ」という返事でした。

それでも、お隣の韓国や中国では小学1年生から英語の授業が始まっていましたし、中学生の5教科指導と大学受験英語に力を入れていた私は、小学低学年からの英語指導はこれから需要が増えてくるのではないかと漠然と考えるようになりました。

ちょっとお高い英語教材と
英語絵本

幼稚園や保育園で英語を教える所が増えてきて、私にもお声がかかるようになりました。教材から指導時間・内容まですべてこちら任せで、教材費など話題にすら上りません。指導料もほんの少しで、ボランティア活動のようなものでした。それでもすべて自己研鑽の場と捉え、プラス思考で乗り切りました。

英語に関する本は高額で赤字続きでしたが、購入した教材はいろんな所で使い回せると考え、アプリコット出版の英語絵本と絵本ワークをすべて揃えて使用しました。また、友人の1人がmpi松香フォニックスの青森代表のような活動をしていたので、松香洋子先生の講習会に数回参加させていただき、教材を購入して使用しました。

エリック・カールの英語絵本は、日本語バージョンでお話の内容を知っているお子さんも多く、読み聞かせの後にクイズタイムを設けて簡単な質疑応答ができるので、大好きな教材です。

“The Very Hungry Caterpillar”が彼の代表作ですが、私は“Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?”の読み聞かせが得意です。なぜかというと、この本の最後に出てくる a teacherが眼鏡をかけていて、私によく似ているので、“Oh, It’s me ! Ms. Fukushi !”と勝手に登場人物になってお話を締め括ることができて、子どもたちも大喜びです。ちょっとした工夫で臨場感を演出し、次週の英語への期待感を持たせることができる瞬間です。

また、英語を楽しいと思ってもらうために欠かせないのが、英語の歌をお友達や先生と一緒に、身振り手振りを添えて歌うことです。

おゆうぎ会で英語の歌を披露したいと園長先生からお話があったので購入したのが、童謡からミュージカル曲まで46曲が収録された「えいごが好きな子が育つ たのしい えいごのおうた ベスト46」です。保育園では英語で朝の挨拶をした後、Hello SongとThe Alphabetを歌ってレッスンを始めました。おゆうぎ会では Under the Spreading Chestnut Tree(おおきなくりの きのしたで)と、If You’re Happy and You Know It, Clap Your Hands(しあわせなら てをたたこう)を歌いました。

このように、幼稚園や保育園で英語に触れているので、英語を習いたいというお子さんも増えているように思います。最近ではピアノや水泳のように、英語も習わせたいというお話を伺うようになってきました。

11年前にベネッセの英語教室を始めた頃は、どうしたら幼児コースの生徒さんを集められるのか頭を抱えていましたが、今春は塾生の弟妹さんからの体験希望が3件あり、体験後、その日のうちにご入会いただきました。

なぜベネッセの英語教室を導入することにしたのか、よく同業の先生方に聞かれますので、ご紹介させていただきます。


アットホームな雰囲気の中で、一人ひとりの個性を伸ばす教室

ベネッセの英語教室 BE studio

受験や定期テスト対策のため中学生・高校生の生徒数は順調に伸びておりましたが、幼児・小学生を対象とした英語コースの生徒増は、塾経営の面からも重要課題ではあるものの、思い通りの集客ができないまま月日が過ぎていました。だからといって、今さら公文・学研、ECCジュニアの先生でもないでしょう? と悶々としていた時に、日経新聞の求人欄にベネッセこども英語教室の講師募集を見つけました。

調べてみると、近くでは秋田と盛岡に教室がありましたが、青森にはまだ一つもありませんでした。子育All in Englishのレッスンですが、全国同レベルのレッスンを維持するために、しっかりしたレッスンプランが準備されているので、非常に心強く安心して授業の準備ができます。それぞれのコースの生徒に合わせてボリュームゾーンや指導時間を工夫するなどして対応しています。高学年コースになると文法も中学1・2年生で習うものがたくさん出てくるので、通常レッスンが終わった後に日本語で重要ポイントをきちんと説明するようにしています。

ワークブックでは音と文字を一致させるよう、無理なく読み書き能力を育んでいきますが、ここでもちょっと当教室独自のアレンジを加えています。特に幼児コースのワークブックが楽しいのでお家でどんどん進めてしまい、もうやるページがないと言うお子さんがいます。やりたい気持ちを大事にしたいので、市販されているベネッセの幼児用ワークブックも加えてみましたが、それだとレッスン時間が足りません。そこでアルファベット練習用のノートを配ることにしました。

幼児なので鉛筆をきちんと持てなかったり、筆圧がなかったりするお子さんも多いのですが、ノートのとなりにアルファベットしたじきを置いて自由に書かせます。大文字でも小文字でも、最初の一文字だけはお手本で書いてあげて、後はひたすらに褒めるだけです。線からはみ出そうが逆さ文字になっていようが、全く問題ありません。数ヵ月もすると、とても上手に書けるようになるので、そこから自分の名前や3文字、4文字の単語練習に移っていきます。

お友達が揃うまでの時間を使ったこのWriting Time は、ウォーミングアップとしてとても効果的だと思って続けています。

また、年に一度挑戦できる“GTEC Junior”ではタブレット端末を使って、自分の英語力を楽しく試すことができます。スコア型の検定試験なので不合格がないことをきちんと伝え、不安なく受検してもらっています。

生徒それぞれの4技能の力は詳しく分析されてスコアレポートとして返却されるので、学習の励みにもなり、指導者にとっても得意分野をうんと褒めてあげられる良い機会になります。また、生徒の苦手分野を把握した上でアプローチ方法を工夫するなど、レッスンの質を上げるための資料としても大変役立っています。
※「GTEC Junior」は株式会社ベネッセコーポレーションの登録商標です。


幼児・小学生を対象に、楽しいレッスンを通じて英語が身につくベネッセの英語教室

中学準備英語

ベネッセの英語を導入する前のことですが、年長から高3まで通ってくれたNくんとは、小3までの4年間で楽しいこども英語はほとんどやりつくしてしまいました。

そこで小4からは中学1年生の英語の教科書を使い、ゆっくりと新出単語を調べるところから始め、本文をノートの左側に書き、元気よく音読を繰り返した後に文法を説明し、ノート右側に日本語訳を書いてみるということに挑戦してみました。中学校の教科書をやっているという知的好奇心が刺激され、とても楽しそうでした。

教材費は教科書300円ほどと、英語のノート代だけです。ゆっくり繰り返し指導しましたが、卒業までに中1・中2の教科書2冊をやり終えることができました。かなりのアドバンテージをもって中学に入学したので、英語が彼の得意教科になったと後に話してくれました。センター試験の英語は満点かもしれないと報告を受けた時は本当に嬉しく驚きました。(実得点は198点でした)

そんな経験があったので、今も希望する5・6年の生徒さんには中学準備英語を週1回30~40分ほどの時間で指導しています。

Rome was not built in a day.
英語はコツコツと積み上げていく教科です。近道はありません。

今日も生徒たちに英語が大好きになるような素敵な魔法をかけてみましょう!

プロフィール
ふくし英数教室 塾長 福士 明美

1960年生まれ。青森明の星短期大学で英語の中学校教諭二種免許状を取得。証券会社8年、大手アパレルメーカー2年と一般企業での勤務経験も持つ。主婦となり2人の子育てをするなかで自宅にて開塾。学校図書館司書教諭免許や教育カウンセラー初級・中級などの資格も追加取得し、2017年には、教員免許更新講習も修了済。市内小学校や準看護学校などで講師としても活躍する。
■ふくし英数教室 https://www.fukushi-emschool.com/



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