第一志望合格率向上で多様な進路を実現
自己肯定感を高め、社会に貢献できる
人材の育成を目指す
京都廣学館高等学校(京都府)
勉強やクラブ活動、生活面で自己肯定感を高め、仲間を思いやる人格形成を実現する
教育理念「人間の能力は生まれつきのものではなく、その人の努力によって開発され、無限に伸ばされる。」を掲げ、1957年、学園創設者の本部廣哲氏によって創立された本部塾をきっかけに、1984に南京都高等学校として開校された、学校法人南京都学園京都廣学館高等学校。2013年に現在の校名に改変し、アドバンスコースとジェネラルコースを設けた。生徒の自己肯定感を高め、希望に寄り添い、社会に貢献できる人材育成を実現する同校の教育について、瀧野博史副校長、里之内希教頭、谷田泰昭入試部長に話を伺った。
少林寺拳法と坐禅で
自己を見つめ可能性を引き出す
前述の教育理念とともに、同校が建学の精神として重要視するのが、校訓「愛・信・敬」と、教育の目的「愛情と信頼と尊敬に充ちた教育を通じて、個性を伸ばし、能力を開発し、自立と向上心ならびに互助協力の精神を培わせ、徳・体・智の調和のとれた人格の形成を図り、平和で民主的な国家及び社会に貢献できる人間を育成することを目指している」である。
さらに建学の精神と合致することから、同校では少林寺拳法と坐禅をカリキュラムに据えている。
「少林寺拳法には『人間は育つ可能性を有する種子である』との教えがあり、技を磨くだけでなく、その教えについても学びます」と谷田泰昭入試部長。また坐禅には「人は皆、可能性という珠をもち、その珠は自分で磨かないと光らない」という教えが。「その珠に気づかせることを目的に、しっかりと心と体に向き合い可能性への気づきに繋げるため、坐禅に取り組みます」と谷田入試部長は語る。
(左)近鉄・狛田駅から徒歩5分、JR・下狛駅から徒歩3分と便利で、自然に囲まれた学び舎
(右)左から谷田泰昭入試部長、瀧野博史副校長、里之内希教頭
個人面談の前に会議
多数の教員で生徒に寄り添う
同校のモットーは、生徒が行けるところではなく、「行きたいところ」へ進めるよう導くことである。そのための一つが進路学習であり、1年生の早期から実施する。また定期面談は当然、その面談前に教員が会議を開き、一人ひとりについて協議し合う。そのため、担任1人の意見でなく、多角的な視点から生徒にアドバイスし視野を広げている。
「大学一つをとっても、ただ偏差値を基準にするのではなく、生徒の性格や雰囲気を考慮して、OBの話などを交えながらアドバイスします」と里之内希教頭。さらに、生徒の自己肯定感を高めるため、授業やクラブ活動、生活面でもさまざまな工夫を施す。
「自己肯定感を高めることで、自分の進路が見えてきます。また他者への思いやりも生まれ、互いに認め合い、クラスが輪になって、みんなで頑張ろうという良いスパイラルができます」と里之内教頭は語る。
京都府内トップレベルの進路決定率
国公立や難関私立大学など多彩な進路を実現!
このように自己肯定感向上を通して意欲をかきたてさせた時、その希望に寄り添うためにアドバンスコース、ジェネラルコース、ステップアップコース(通信制)の3コースを設けているのが同校の魅力である。
とくにアドバンスコースは、大学進学を目指す生徒向けのコースだ。特徴としては正規の授業は6時限目で終了し、その後の7、8、9時限目はクラブ活動をするか、放課後ゼミを受講するのかを生徒に自由に選ばせる。放課後ゼミは演習や応用発展、苦手科目の学び直しなど多彩で、国公立大学や難関私立大学などを目指す生徒に対応。生徒1名でも開講するゼミもある。総合型選抜を受ける生徒には、マンツーマンでプレゼンや面接の練習も行う。
「生徒のやりたいことに合わせてカスタマイズできるゼミです。外部の講師を招くのでなく、生徒をよく理解している当校の専任教員が教えるので生徒との密度が濃いです。教員同士も連携を取り、皆で一人ひとりを見守ります」と里之内教頭。長期休暇における講習や勉強合宿もあり、フォローに抜かりはない。
アドバンスコース、ジェネラルコース、ステップアップコース(通信制)を設け生徒一人ひとりの希望に対応
一方、ジェネラルコースでは、総合型選抜や指定校推薦を希望する生徒が多く、それ以外にも、専門学校や就職などさまざまな進路に対応。ただ、生徒の希望も高校の間に変化することもある。その変化に対応できるよう、主に学習の土台をつくるのが狙いだ。朝の時間には、大学進学希望者は英単語テスト、それ以外の生徒には基礎学力のWEBトレーニングを行う。こちらも正規の授業は6時限目まで、放課後はクラブ活動か、基礎学習や英検・漢検対策講座などの放課後学習会に参加できる。
このように、生徒の希望にきめ細かく応じたコース設定にして今年で9年目。確実に成果は上がっているという。大学進学でいうと、神戸大学や防衛大学校などの国公立、立命館大学や龍谷大学、京都産業大学などの有名難関私立大学への合格者を輩出。第一志望合格率のアップが顕著に見られる。「滋賀医科大学や、近畿大学、同志社女子大学の薬学部などの医薬系、看護系への進学者も増えました」と里之内教頭。また、グループ校としては京都福祉専門学校と京都動物専門学校を擁しており、そちらへの内部進学者もいるなど、生徒を受け入れる同校の引き出しの多さが特徴的である。
インターハイ出場など
文武両道を標榜
さらに特筆したいのは、文武両道も標榜していることだ。クラブ加入率が高く、インターハイ出場を果たした少林寺拳法部をはじめ、全国大会エアライフル10メートル競技で8位に輝いたライフル射撃部、ピン級で準優勝を果たしたボクシング部など多数の実績を残している。また、吹奏楽部は8月に行われた京都府吹奏楽コンクール、9月開催の京都府マーチングコンテストと、合わせて見事『W金賞』を受賞した。
「今後も建学の精神を重んじ、生徒の可能性を引き出し、社会に貢献できる人材を育成していきたいです」と最後に瀧野副校長は語ってくれた。
(左)2022年度全国高等学校総合体育大会京都府予選ベスト8入りを果たした、サッカー部
(右)「誰からも愛されるバンドを目指して」をモットーに数々の実績をあげている吹奏楽部
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