マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

多彩な学校行事は進路や将来を考える好機
豊かな体験と手厚い指導が進学実績に結実

開明中学校・高等学校

校訓の「研鑽して倦まず」は「知・徳・体すべてにわたって自己を磨き続けること」を意味し、これを教育の柱にしてきた開明中学校・高等学校。東大・京大・国公立大医学部医学科への高い進学率を維持し続ける、大阪屈指の進学校だ。近年は学校推薦・総合型入試の合格実績もめざましい。その背景には、親身な学習指導はもちろん、多くの体験型・探究型のプログラムがある。こうした実践的な学びから、考える力や能動的に学習する習慣、大学で学ぶ動機と意欲を育んでいる様子を同校の入試広報部長・古庄誠先生に聞いた。


京大特色入試の合格は全国トップ
多様化する入試に対応する力を育む

前身は、1914年(大正3年)に大阪商業会議所(現大阪商工会議所)が、外国語教育の専修学校として設立した「大阪貿易語学校」。学びを生かして社会に参加する人材の育成をめざし、「研精して倦まず」を校訓に、時代に合わせて改革を重ねてきた。

戦後は語学教育と商業教育を柱に、大阪経済を支える卒業生を送り出し、1980年代からは普通科高校として進学指導を強化。現在では難関大学への高い合格率を誇る、大阪有数の中高一貫進学校として知られている。

2023年度の進学実績は、国公立大学合格者192名、そのうち難関国立大学・国公立医学科の合格者は66名。すなわち3分の1近くが、旧7帝大と神戸大、東工大、一橋大および医学科の国公立最難関であり、総合・推薦型選抜入試での合格者は31名。なかでも京大特色入試の合格者は7名で、2年連続全国最多だ。

このように、難関大入試や、多様な可能性や学ぶ力が求められる総合・推薦型選抜入試に強い生徒が育つ理由を、入試広報部長の古庄誠先生は「中学から多くの行事を体験し、発見や学ぶ楽しさを知るからではないでしょうか」と捉えている。

多彩な学校行事は開明中学校の特色で、理科実習や歴史探訪などの探求型行事を年10回以上行っている。中学2年時の理科実習では、和歌山県加太地域に1泊2日で出かけ、自然を観察しこれをもとに実験や考察を行い、結果を発表する。

歴史探訪は、京都・奈良などの史跡や博物館を見学する1日で、授業や教科書での学習が立体感を持ち始める。

「学校行事は座学にはない新しい発見があり、興味や関心が芽生え、大学で何を学びたいかを考える好機です。こうした体験を通して、学ぶ意欲を育てていることが進学実績につながっていると思います」

コロナ禍のために学校行事を中止した教育現場が多かったが、同校は宿泊型行事を日帰りにするなどの安全対策を講じて開催してきた。入学希望者にとっても、学校行事が多く、豊かな学園生活が送れることは魅力で、出願者・入学者ともに増加が続いている。

高大連携講座やOBとの交流で
将来へのモチベーションを喚起

高校1年時、2年時には、大学での高度な学びに触れられる機会を設けている。京都大学が高校生を対象に開催する体験型科学講座「ELCAS(エルキャス)」や、東大が主催する「高校生と大学生のための金曜特別講座」の受講体験だ。これは文系・理系のさまざまなテーマを大学教員が講義するもので、受講後はグループで研究発表に取り組む。

毎年8月には高校1年生を対象に、開明ОBの大学生・社会人と交流するイベント「開明大学」を開催している。これは「学部別講座」と「全体会」の2部構成で、「学部別講座」は、大学では何を学べるのかを紹介しており、2022年度は、理学・工学・農学・医療・教育・経済経営学・法学と社会人講座の8講座を開講した。「全体会」は、在校生と大学生・社会人が一堂に会しての座談会スタイルで、大学生活に必要なスキルをレクチャーしたり、進学の相談に答えたりする。

参加した高校1年生は「年齢の近い先輩なので話しやすく、大学のことを知って行くのが楽しみになった」、「将来について真面目に考える機会になった」、「大学では自主的に学ばないと何も得られず4年間が過ぎてしまうと分かった」といった感想を寄せている。

「このイベントで大学生活や、その先の将来設計が具体的になり、めざす大学や学部へのモチベーションを高める良い機会になっています」

中学校2コースは理数に特化
高校3コースは進路別で強化

開明中学校の特色は、全員を理数コースとしていること。中学3年間は文系理系を問わず、新時代に求められる数学・理科の素養を重視した教育を展開する。

進路目標や理解度に応じて2コースに分かれており、「スーパー理数コース」では、東大・京大・国公立大学医学部医学科をめざして、応用的な学習内容を取り入れた発展学習に取り組む。また「理数コース」では、難関国公立大学を目標に基礎固めをする。両コースとも、中学1年時の定期試験の内容は同じで、基礎学力が定着しているかを確認し、高学年の学習に備える。この親身な指導が、その後の進学実績につながっていく。

高校では2年から文理と進路目標に沿った「東大・京大・国公立医学部医学科コース」、「難関国公立文系コース」、「難関国公立理系コース」の3コースに分かれ、進路実現に向かって学習が本格化する。この時点までに、生徒たちは多彩な学校行事や探究型学習を通して、自主的に活動し、考えたり発表したりする力を身につけていく。

「多くの体験ができる、豊かな学校生活の中で、生徒たちが大学で学びたいことを見つけ、将来像を描けるように見守っています。ですから、まだ自分の特性がわからないという子にも入学してほしいです。教職員やクラスメイトと一緒に未来を考え、実現しましょう」と古庄先生は語る。

校名の「開明」は、「人智が開け文物が進歩すること」を意味する希望に満ちた言葉だ。同校は建学時から、そうした社会を支える人材を育成してきた。今後さらに多様化、複雑化する社会の発展に貢献できる若い力が巣立っていくはずだ。


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https://manavinet.com/west/2022_7kaimei1/
開明中学校・高等学校 https://www.kaimei.ed.jp/