マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

関西学院大学直結コースで大学の学びを先取り
実学中心の新留学制度が新しい海外体験を生む

関西学院大学系属校 賢明学院中学高等学校

世界遺産・仁徳天皇陵の南西、閑静な住宅街にある賢明学院中学高等学校。フランス革命期、子どもたちの教育に奮闘した聖マリー・リヴィエの精神にならい「祈る・学ぶ・奉仕する」の校訓を基盤に、他者のために力を尽くす人間を育てることをミッションとする。2019年関西学院大学の系属校となり、今春、理系4学部に“直結”するコースの1期生が関学へと進んだ。グローバル教育にも力を入れており、今年度から留学コースをリニューアル。より生徒たちの夢を実現する体制を整えた。


関西学院大学「特進サイエンスコース」
第1期生羽ばたく
難関大学を狙う「特進エグゼコース」も始動

高大連携の関西学院大学「特進サイエンスコース」は、2020年度から募集が開始され、この春受験した第1期生8割の生徒が第1志望の学部に進学した。「生徒たちは皆意欲的に取り組んでいます。100%を目指しながら9割を超えることができればと思っています」と、広報募集部長の前七奈先生は語る。

関西学院大学の理学、工学、生命環境学、建築学の4学部への進学を前提に、英検2級、数検2級、評定という3つの独自基準を満たすことで、秋には内定、1月中旬に合否が確定する。生徒たちは心に余裕をもち、好きな学習とクラブ活動を両立し、充実した高校生活を過ごすことができる。

コース最大の特徴は、高校2〜3年の間に大学レベルの研究活動を予行演習する「AP科目」だ。現在4つの研究室が進行中で、いずれも教科書のない実験的な作業がメインとなる。生徒たちは興味深く楽しそうに実験や研究に向き合っている。グループワークは主に教員が指導するが、関西学院大の教員のサポートもある。数ヵ月ごとに中間発表会を開き、議論しながら研究を深化させ、最終的には論文を作成して卒業という、大学と同じ流れで学んでいく。

賢明学院中学では「関西学院理数コース」と「総合コース」の2コースがある。前者は理系進学を志す生徒向けに、「関西学院大学特進サイエンスコース」への優先入学制度を設けている。

賢明学院高校では、サイエンスコースに加え「特進エグゼコース」「特進コース」の計3コースを設定。特進エグゼコースは、国公立大学や文系の難関私立大学を目指す生徒のニーズに応え、今年新設された。上智大学や南山大学などへのカトリック推薦枠があり、海外の大学を目指す生徒もいる。

5教科をバランス良く学び、能力を向上させることで、それらの大学に対応できる学力をつける。1クラス25名、定員50名の少人数制だ。特進コースでは有名私立大学の文系・理系学部だけでなく、看護医療系学部も対象とし、入試に必要な科目に焦点を当てたカリキュラムが提供されている。

1年次には全コースで同一のカリキュラムを提供し、その後、個々の学生に進路指導を行い、2年次にはそれぞれに合ったコースへの変更が可能となる。基準を満たすことで他コースからサイエンスコースへの進学も可能だ。

留学で実学重視のプログラムを
世界での協働を学びながら体験

今年度からはコロナ禍の間一時的に休止されていた留学制度が再開。内容も見直され、社会的な状況を考慮し、治安が良く感染症対策も万全なニュージーランド・クライストチャーチにある私立キリスト教系学校での語学研修留学プログラムがスタートする。留学生が常時100人ほど在籍する学校であるため、留学生を理解しサポートする環境が整っている。

コースは短期、中期(3ヵ月)、長期(1年)の3コース。長期でも単位は認定され、高校3年間で卒業ができる。「これからの社会では、広い視野をもって生活していってほしい。日本社会の中で活躍するだけではなく、世界で活躍するような人材を育てる、そんな留学を進めていきたいと思っています」(国際交流部・花坂先生)。

短期留学では、夏休みに2週間の特別プログラムが提供され、英語研修と地元学校への授業参加が行われる。参加するのは体育や音楽、現地の文化体験などの予定だ。中期と1年の留学では、ニュージーランドの学校に直接入学し、ファッション、ビジネスなどの選択授業を含めた実学的な学びが行われる。

ファッションの授業では、服のデザインを通して実際に型紙を作り、それをプロに見ていただく。 ビジネスの授業であれば、商品化していくプロセスを学ぶ。ニュージーランドの学校は全体に実学重視であり、その教育のあり方に賢明学院が共鳴。実際同校には「起業したい」という夢をもつ生徒が多く、

学びの多いプログラムだ。「1年の留学でビジネス英語もある程度身につき、海外で協働できる素養が身につきます。ニュージーランドでは起業されている方が多く、生徒さんの保護者がお店のオーナーをなさっているなど、身近に起業されている方が大勢います。経験者の話が直接聞ける環境なのです」(花坂先生)。

将来的な留学制度においては、より具体的な目的をもった留学の実現を目指している。例えば起業を志す生徒に対しては、ビジネスモデルの構築や商品開発に焦点を当てたプログラムを作り、英語と実学を融合させた学びを提供する。留学プログラムは今後も拡充され、個別のニーズに合わせたサポートが進められる予定だ。学内の留学制度だけでなく、ロータリー青少年交換留学制度や、国の留学制度を使って1年留学する生徒も毎年出ているという。

留学の中心に体験や実学を据えるとともに、国際交流も重視しており、生徒たちが海外の学校や企業と連携する機会を増やしている。現在はオンラインを活用し、日々の授業の中で他国の学校との交流を行っている。また外国籍の生徒やシスターたちとの交流、学内で英検を受験できるという環境も、身近に海外を体験する要因となっている。

カトリック・ミッションスクールである賢明学院中学高等学校だからこそ、海外との交流は日常となる。理系・文系ともに充実した高校生活と理想の未来へのサポートを徹底。朝夕の習慣「沈黙の時間」を礎に、奉仕の心をもち、世界で活躍する人材が日々生み出されていく。


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賢明学院中学高等学校 https://kenmei.jp/