マナビネットオープンスクール2023 ●取材:塾ジャーナル編集部

2024、武庫女が変わる!
女性の活躍がより求められる時代だからこそ
中高大一貫の「SOAR(ソアー)」教育で
「一生を描ききる女性力」を育む

武庫川女子大学附属中学校・高等学校

学生数1万人超、12学部20学科は、いずれも全国女子大学トップの規模を誇り、共学校に一歩も見劣りしない教育を提供している武庫川女子大学。「一生を描ききる女性力を。」をビジョンに掲げ、独自の未来教育プログラム「SOAR(ソアー)」を推進することで、さまざまな分野で無限の可能性に向けて飛躍する女性を輩出している。毎年同大学・短期大学部に約80%もの卒業生を送り出している附属の中学校・高等学校も、2024年度の募集から「SOAR」を冠とする2コースに変更。その意図と各コースの特長を世良田重人校長に伺った。


カリキュラムは文理融合
未来教育プログラム「SOAR」

「SOAR」とは、「飛翔する、舞い上がる」「高まる、高揚する」を意味する英語だ。武庫川女子大学のSOARプログラムでは、ジェンダー、セクシュアリティ、キャリアデザイン、ライフプランニング、法律、社会制度について学ぶ機会を設定し、学生が一生を見通して、自らの意志で学びを深化させ、主体性・論理性・実行力のある女性の育成をめざしている。

世良田校長は「本校は8割の生徒が武庫川女子大学に進学する学校であり、大学との連携は強みのひとつです。SOARプログラムを中・高でもキャリア教育の柱のひとつに位置づけ、学院一体となって女子教育に取り組んでいくことを宣言する意味で、来年度の募集から『SOARグローバルサイエンスコース』と『SOAR探究コース』の2コースを設置することにしました。中高大の連携とともに、理数教育、英語教育、国際理解教育、探究活動といった本校の強みがより際立つ内容となっています」と語る。

これまで以上に大学と連携しつつ、ボーダーレス社会のニーズに合わせて、両コースとも文理融合のカリキュラムとした。高2進級時までに希望すれば、一定の条件はあるが、コース変更も可能だ。

中3生全員がアメリカへ短期留学
「SOARグローバルサイエンスコース」

従来の「創造サイエンスコース」は“超理系”コースだったが、新設の「SOARグローバルサイエンスコース」は、これまでの理数教育をしっかり継承しつつ、英語教育を強化した。
「例えば、看護や食物栄養系など、少し理系色が薄くなっても、英語力をつけておくほうが将来に役立つ生徒もいます。いろいろな進路に向け、自分で自分の学びをデザインできるようにしました」と、世良田校長はその理由を語る。

新しい試みとして、武庫川女子大学の学生を30年以上指導してきたアメリカ分校(ワシントン州スポケーン市)を活用し、同コースを選択した中学3年生全員参加による短期留学研修を実施する。アメリカ文化の習得のほか、ピクニック、ショッピングといったアクティビティや、近隣の中学生・小学生との交流イベントなどを通じ、生きた英会話を体験できる。

「実績のある学生寮での研修なので、初めて海外に行く子どもはもちろん、送り出す親御さんにとっても、安全・安心な場所といえるでしょう。高校でもさまざまな海外研修プログラムがあるので、この経験をきっかけに、どんどん海外に飛び出していってほしいですね」

校外学習で探究教育に注力!
「SOAR探究コース」

「これからの学びの中心になっていくのが『探究』です」と語る世良田校長。同校では早くから探究教育に注力してきたが、「SOAR探究コース」では、新しい自分を見つけてライフプランを立ててもらうため、校外研修の機会をさらに増やした。

「SOARグローバルサイエンスコース」と共通の校外研修に加え、「SOAR探究コース」では、中1で鳴尾いちごの栽培や地域の清掃活動、中2で田植え体験や「三方よし」探究など、主に地元(鳴尾地区、西宮市、兵庫県)に根ざした各関係機関と連携したプログラムが用意されている。

さらに高校では2024年度から、武庫川女子大学の経営学部と教育学部が支援する新プログラムを展開する。

経営学部との連携では、企業との協働による店舗開発や商品開発、社会貢献、地球に優しい取り組みなどに高校生が参画。教育学部との連携では、家庭科・理科・図工・教育等の分野で、大学の学生や先生とともに活動する。

「半日もしくは1日を使った校外学習の機会が多くあり、実質、週1.5~2時間に匹敵するくらい、探究の時間をたっぷり取っています」と世良田校長は胸を張る。

英検合格の数値目標を提示
世界で活躍する女性を育てる

世界で活躍するには英語学習は必須であり、徹底的に強化する方針だ。

学校案内に英検合格の数値目標を提示したのも初めてのことで、それだけの教育を提供できるという自信の表れでもあろう。「SOARグローバルサイエンスコース」では、「中学で2級取得50%、高校で準1級取得50%」、「SOAR探究コース」では、「中学で準2級取得50%、高校で2級取得50%」としている。

今年6月、世界経済フォーラムが発表した男女格差指数では、日本は先進国の中では最低レベルにあり、順位も前年調査から9ランク落ちた。世良田校長はこれに触れ、「本校だからこそできる教育を極め、女性が世界で活躍する素養を育てていきたい」と、言葉に力を込めた。


武庫川女子大学附属中学校・高等学校  https://jhs.mukogawa-u.ac.jp/