マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

可能性を引き出す多彩な学びを通し
生徒一人ひとりの将来形成を担う

開明中学校・高等学校

しまなみ海道夜間歩行 この夜間歩行で得られたのは、つらいことも乗り切れるという自信、そして仲間との連帯感だ


1914年の創立以来、1991年に中学校開設、2006年には全学年共学化、2014年に創立100周年を迎え新校舎完成等と、たゆまない改革を推進する開明中学校・高等学校。その結果、今春は東京大学1名、京都大学19名、国公立医学部医学科に8名の合格者を輩出し、名実ともに大阪有数の「新鮮で活気あふれる共学の進学校」として躍進している。今年度、定員を上回る入学者数となった人気や、進学実績の高さに関する要因等について、入試広報部長の古庄誠先生に話を聞いた。


定員を上回る入学者数
兄弟入学も多い人気の秘密とは

校訓「研精して倦まず」を守り、創立107年目を迎えた開明中学校・高等学校。今年度は、中学の定員240名を上回る256名が入学し、今、関西の私学のなかで人気が高まっている。とくに目立つのが、兄や姉を入学させた保護者が「ぜひ下の子も」と願う兄弟入学。その人気の秘密は、中学校で経験する学びの多様性にある。

「中学校の3年間で林間学校やスキー実習等の宿泊が6回、さらに1日完結型の行事が他に10回以上あります」と入試広報部長の古庄誠先生。
これら宿泊や行事では、事前に生徒が自分たちで調べ、そこで得た知識や情報をもって現地に赴き、そして本物に触れて感動し、結果をまとめて発表するということも行なう。そのような経験のなかで新しい発見をしたり、達成感を得たり、コミュニケーション力等の能力を伸ばしたりする。その成長を保護者が認め、開明の教育の魅力だと評価する。文化祭や弁論大会での我が子の発表する姿を見て成長を実感した保護者も多いそうだ。

もう一つ、開明の人気の要因に挙げられるのが、面倒見の良さである。
「同じ成績の生徒でも、プレゼン力がある子どももいれば文章を書く力がある子どももいて、能力は各々違います。個々の得意分野を生かせる大学入試の形態を示し、本人がやりたいことを学べる大学へ導きます」
成長する生徒もいれば、つまずく生徒もいる。全員の強みを見極め、進路へとつなげる面倒見の良さに、感謝を伝える保護者もいるという。

東大1名、京大19名、医学科8名含む
難関国立大に59名の合格者輩出

開明について語る時、進学実績の素晴らしさを忘れてはならない。
「今年度は、東京大学1名、京都大学19名、国公立の医学部医学科には8名が合格しました。難関国立大学(旧帝大、神戸大、医学部医学科)には全部で59名が合格し、過去最高の実績です」
高校では、東大や京大、国公立の医学部医学科を目指す生徒を一堂に集めた「国公立文理コース」を設定。最難関大学進学を目標に、切磋琢磨し合い、いい刺激を与え合う環境が整っている。また、個別のフォローにも力を入れており、一人ひとりに適切なアドバイスを与える。例えば一人の生徒が求める課題の用意等にも応えるという。

ほかにも難関大学を目指す「国公立文系コース」や「国公立理系コース」もあり、こちらではさらに丁寧な指導を行なう。頻繁な小テストの実施や補習等、手厚い指導が特徴だ。
また、国公立については、総合型選抜と学校推薦型選抜での合格実績も見逃せない。今年度の20名の合格者も含め、ここ5年間、コンスタントに20名以上の合格者を出している。

「勝因として、多彩な行事を通し多様な学びを経験させていることでしょう。この学びから、それぞれの得意分野を伸ばすことができ、そのことが大学の評価につながり、総合型選抜や学校推薦型選抜の合格者の多さという結果になりました」
仲間と切磋琢磨し合う「国公立文理コース」や、手厚いフォローを行なう「国公立文系コース」と「国公立理系コース」、さらには多彩な学びの経験等が功を奏し、開明は近年、飛躍的に進学実績を伸ばしている。


中学2年次から高校1年次まで、ネイティブ・スピーカーによる英会話の授業を実施
少人数のグループごとに別々の教員が教える

優秀な先輩が後輩に影響を与えて
モチベーション向上する好循環の環境

生徒のモチベーションを維持させるのは難しい。しかし、開明はその点においてもフォローの手を抜かない。
京大主催の「ELCAS」という制度を採用。これは、京大が提示するさまざまな講座から、自分の学びたいものを選択し、志望理由を提出する。そして大学側に評価してもらえば受講資格を得るというもの。一昨年度より提出を開始し、高1、高2が毎年30名程度受講を許可され、好評を博している。

また、昨秋から高1、高2を対象に開設されたオンライン講座「東大金曜講座」がある。これも東大の教授がテーマを決めて毎週金曜日に講座を開いて好評を博し、昨年開明の生徒だけで延べ100名以上が受講している。
どちらの講座も学びの先取りを実現できるため知的好奇心を刺激し、進学すればさらに興味深い学びができることを想像させられる。受験に対するモチベーション向上につながることはいうまでもない。

また、高い進学実績を誇る開明ならではの環境も、モチベーション向上の一因となっている。ここ3年、東大京大あわせて2ケタの合格者を輩出しているからこそ、高1、高2生にとっては、クラブ等で顔を合わす身近な先輩に合格者の姿を見ることができる。必然的に「先輩が頑張ったのだから、僕たち(私たち)も頑張ろう」「先輩が合格したのだから自分も頑張ればいけるかもしれない」。先輩の後ろ姿を見て募ったこういう思いが、生徒たちを受験へと駆り立てるのである。

「3年生が2年生に影響を与え、その2年生が1年生に影響を与えていく。この好循環が続いて、結果的に多くの合格者が出てくれればと願います」と古庄先生は語る。
一方、今後の展望についてはこう語ってくれた。

「一人ひとりの興味を伸ばし、さらには本人が思いもよらない興味を引き出す教育を心がけ、社会に出た後、各分野で第一線で活躍していく人材を育てたいです。この理念を理解し、いろんなことに興味をもっている生徒に入学してほしいです」
「人をしっかり育てる」という理念のもと、生徒一人ひとりの将来形成の一端を担う開明中学校・高等学校。今後も、より多くの生徒を未来へ羽ばたかせていくに違いない。

開明中学校・高等学校  https://www.kaimei.ed.jp/