マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

2022年度 新生「光華」の学びは、“原点”にして“先進”
多彩なリベラルアーツ教育で、生徒一人ひとりが未来を見つける!

京都光華中学校・高等学校

全館Wi-Fiや1人1台のデバイスなど充実したICT環境。Metamojiによる双方向授業やオンライン面談など新しい取り組みを推進


光華女子学園は、真宗大谷派(東本願寺)前門首夫人の故大谷智子裏方が、「仏教精神に基づく女子教育」を発願し、1940年に設立された伝統校である。スクールコンセプト『美しいひととなろう』のもと、時代の変遷とともに社会に求められる学びのあり方を、さまざまな改革により推し進め、“自己を確立し、未来を創造する女性”を育成してきた。その改革は、いきいきとした学校生活の中で、生徒一人ひとりが積極的に学びを追求する【光華リベラルアーツ】として結実。伝統と革新が融合する、新生「光華」の魅力に迫った。


2022年度「光華リベラルアーツ」始動!

光華中学校・高等学校は、学校改革の真っただ中にあり、2022年度に向けハード面とソフト面の両方を日々アップデートしている。改革の柱は、学校の理念である仏教教育を基盤に、中高6カ年一貫校として「光華ならではの特色ある学び」を明確に打ち出したことだ。

高校の須原理都子校長は「目まぐるしく変わる時代の中、誰もが経験したことのない社会で生きていく術を考える力を身につけ、自分たちが社会や世界とどう関わっていくのか。その学びを実現するには、教科の枠を超えた幅広い知識と深い教養を身につける必要があります。本校では、【光華リベラルアーツ】を軸に、理系・文系問わずさまざまな分野を学び、それぞれの領域で学んだことを深め、生徒一人ひとりが人生を主体的に切り拓いていけるよう指導してまいります」と語る。

【光華リベラルアーツ】の根底にあるのは、他者を思いやり、ともに支え合う心を育てる「仏教教育」。仏教教育を基盤に「礼儀マナー教育」「伝統文化教育」「異文化理解教育」「言語教育」を、探究型学びや体験型学び、対話型学びを通じて横断的に取り入れるのが特徴だ。


フィンランドに関わりのある企業と連携し、フィンランドについて興味・関心のある内容を学習し探究旅行を実施

主体的に学ぶための基礎づくり
力を伸ばす中学校での学び

2022年度から、中学校ではコース制を廃止する。コースの枠にとらわれないメリットを最大限に生かしていくためだ。

まず、教員が「チーム」で取り組む学年担任制を採用。学年全員がチームとなり、多くの目で生徒を見守り、丁寧にサポートし、一人ひとりが輝ける集団づくりを目指す。

また、5教科の授業を各々「学習スタイル別」で展開する。「Gスタイル」と「Jスタイル」の授業に分け、Gスタイルでは事前学習に重きを置き、授業内では討論や発表などで理解を深める。Jスタイルでは基礎的な知識や理解を、重点的にじっくり時間をかけて身につける。

1年生では集団での学習を通して自律・協働する力を育み、2年生では生徒の自学探究を支える多彩な学びを展開し、自分で考え選ぶ力を養う。3年生では身につけた力を生かして将来の生き方を考える。

中学校の谷口史子校長は「単元ごとのつまずきを解決し、学びの原動力となる“ワクワクするもの”を仲間とともに見つけられるよう、手厚くサポートします」と話す。


(左)オープンキャンパスや入試説明会の企画運営で大活躍のボランティアグループ「フラワーズ」。フラワーズになりたいと入学する生徒もいるほどだ
(右)毎週行われる礼拝では、生徒が主体的に「これを話したい」「これを伝えたい」と感話を行うことが増えている

一人ひとりの意欲と力を伸ばす
学習プログラム

同校では、独自の教科横断的な学習プログラムを整えている。中学、高校ともに行う「光華探究」では、『京都+(アド)ベンチャー』活動を展開。国際文化観光都市である京都を軸に課題を設け、SDGsの応用や企業との連携、社会貢献活動を通じて問題解決の糸口を探り、英語で発信できる力を身につけるのが狙いだ。

さらに、「自学探究支援」として、中学では『朝のMタイム』『放課後Sタイム』、高校では『放課後ビュッフェ講座』の名称で幅広い分野の教養を身につけていく。

「来年度から中学、高校ともに、平日6限の正課授業後の放課後、楽しみながら“学びをカスタマイズ”できる『放課後ビュッフェ』を実施します。おいしいものがよりどりみどり、ワクワクする“ビュッフェ”のように、週3回の講座を用意。自分の目標や興味に合わせて自由に選択します」と須原校長は話す。

特筆すべきは、中学の「フィンランド交流活動」だ。「1年生はフィンランドにゆかりのある企業の方による特別講義を通して知識を深め、興味・関心のある内容を各自で調べます。2年生では現地の方とオンラインで交流を重ね、日本にあるフィンランド大使館やJICAを訪問。オールイングリッシュの環境で英語力を試す狙いもあります。3年生はフィンランドを実際に訪れ、現地交流やフィールドワークを行います。教育先進国として知られるフィンランドの自然・教育・文化にふれ、さまざまな気づきを促します」と谷口校長は話す。


(左)須原 理都子 高等学校校長 
(右)谷口 史子 小学校・中学校校長

“教わる”のではなく自ら“学んでいく”
3つの新コース

中学校で基礎学力とともに主体的に学びに向かう姿勢を養い、高校では2つのコースと1つの専門学科から進路を選択する。

普通科【医療貢献コース】は、医療系の専門学校から国公立大学への進学を可能にする数学・理科に重点を置いたカリキュラムに特徴がある。連携医療機関でのインターンシップや日本赤十字による救命救急訓練などを通して、薬学・看護・リハビリ・栄養などに特化した職業を目指す。

普通科【未来創造コース】は、国公立大学や難関私立大学現役合格を目指す「アドバンストプログラム」と、幅広い進路を目指す「オリジナルプログラム」がある。必修授業もいろいろな選択科目から選べるようになっており“自分の将来”を自主的・積極的に創ることを目指す。

専門学科【国際挑戦科】は、幅広い教養と高い語学力を身につけ、さまざまな人と協働し、世界を舞台に活躍することを目指す。国際人に求められる教養や課題解決力につながる論理的思考、協働性、行動力を重視。少人数制授業で、全員が実用英語検定準1級取得を目指す。

「今後はさらに、多彩な学びのステージを用意してまいりますが、大阪・京都では初となるデュアル ディプロマ プログラム(DDP)を導入したのもその一つです。本校に通いながら、アメリカの名門校『プロビデンス カントリー デイスクール』の卒業資格を取得でき、DDP認定者は全米ハイランキング大学(トップ5%の19校)への推薦入学も可能です。生徒たちが可能性という“翼”を広げ、グローバルな世界へ羽ばたいていけるよう、本校ならではの取り組みを推し進めてまいります」と須原校長は話す。


京都光華中学校・高等学校  https://hs.koka.ac.jp

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