愛校心溢れる有志が滝二の魅力を発信
キャンパスナビゲーターが広報で活躍
滝川第二中学校・高等学校
自然豊かな環境の中「全人教育」を教育理念に、生徒の可能性を引き出す教育を実践する学校法人瀧川学園滝川第二中学校・高等学校(以下、滝二)。近年は難関国公立大学や難関私立大学への合格率が目覚ましく伸びていることでも注目されている。全学年の有志で組織される生徒主体の広報チーム「キャンパスナビゲーター(以下、キャンナビ)」の動きも活発で、学内イベントの企画・運営はもちろん、企業や大学とのコラボレーションも行われている。キャンナビの校外コラボ活動について、同メンバーと井口守入試広報室室長にお話を聞いた。
近畿大学と次世代型燃料を製造
目標はバーベキュー場での使用イベント
キャンナビは生徒目線で滝二の魅力を発信しようと2012年に発足。YouTube班やブログ・SNS班、グッズ制作班ほか、学内で育てた花で来訪者をもてなすフラワー班など、あらゆる方法で同校の広報につなげる多彩なチームがある。今回は校外での3種のコラボ事例を紹介するとともに、活動を通して得たことを生徒たちに聞いた。
近畿大学のバイオコークス研究所とコラボしたバイオコークス班からは、男澤太洋さん(高3)と柴山隼大さん(高3)が登場。もとはSDGs関連のイベントから、学内で処理された雑草の使い道を考えた結果、バイオコークスの存在を知った。後に、近畿大学にバイオコークス研究所があると知り、男澤さんが大学へ直接電話をかけてコミュニケーションが始まった。
今年5月に行われた滝二の文化祭「滝二祭」では、近畿大学の教員が来校。製造機の展示と、実際にバイオコークスで焼いたトウモロコシを販売した。今後の目標は、バーベキュー場で実際に燃料として使用するイベントの開催だ。
「僕自身は文系なので、こういう世界に飛び込むのには勇気がいりました。高校生という立場で大学の深いところに入れたのがすごいと感じます。大きな企画をつくるための準備や、計画の立て方など、イベントに対してのスキルアップができたと思います」(男澤さん)
「自分たちがやりたいと思ったことをやってきたので、主体性が育っていると思います。先生方の力を借りながらですが、どんどん学校以外の社会とつながっていく中で、コミュニケーション力もついたと感じています」(柴山さん)
進路について伺うと、男澤さんはイベント運営を学ぶ学校への進学を希望し、柴山さんは培ったコミュニケーション力を生かして医療系の道を考えているとのこと。キャンナビでの経験が、未来につながっている。
明石ビブレとの初イベントで
滝二の魅力を全力アピール
昨年8月ショッピングモール「明石ビブレ」で開催されたオリエンテーションイベント「出張キャンナビフェスタ」を企画した上治ゆきのさん(高1)。ビブレの担当者が昨年の滝二祭で来校した際、上治さんのアテンドをきっかけに開催が決定した。
キャンナビの先輩たちや担当者とイベント内容を話し合い、YouTube班やバイオコークス班、滝二パン班の協力を得て、学校とキャンナビの両方をアピールできるイベント企画をつくり上げた。
当日は撮影用カメラを持参したYouTube班によるYouTuber体験や、バイオコークスの紹介、人気の滝二パン試食販売などを行った。子どもたちに向けての簡単な理科実験も好評を博したという。
「初めてのコラボで、大企業の方と打ち合わせをするのは大変でした。どうしたら担当者に納得してもらえるのか考え、何度も言葉を選びましたが、それが将来のためになったと思います。キャンナビは、入試説明会など学内イベントでプレゼンテーションをする機会が多く、自分の学校をどう伝えたらみんなに興味をもってもらえるかを他のメンバーと話し合ってつくります。
人に良さをどう伝えたらいいかを考え、人前で発表する経験ができたので、プレゼン力がついたと思います」と、上治さん。これからもキャンナビで進路につながることにチャレンジしていきたいと語った。
パン工房ダンマルシェと協働
進化を続ける滝二パン
「パン工房ダンマルシェ」と滝二パンの制作を行なった寺口遼さん(高1)と渡辺百花さん(高1)は、引退した先輩から滝二パンを引き継ぎ、2代目担当者として活動している。
明石ビブレのコラボイベントではリニューアルした滝二パンを販売し、今年の滝二祭ではさらにデザインを変え、初めて利益をつけて販売。その結果約300個が完売した。
毎年少しずつでも変化を加えようとデザイン変更を考えたものの、なかなか決まらず苦労したという。滝二祭に向けて時間がない中、お店からアイディアをいただいたり、毎週のように集まって打ち合わせをしたりもした。デザインや味、値段や販売個数など、実質的なパン作り以外はすべて自分たちで考えた。
「私は人と喋るのが苦手でしたが、キャンナビに入ってからいろいろな外部の方々とたくさん話すことになり、今は普通に喋れるようになりました!」(渡辺さん)
「人との関わりが少なかったのが、キャンナビに入って一気に増えました。先輩や後輩との関わり合いや、外部との交流もあり、相手の気持ちを考え、意見の出し方もうまくなったと思います」(寺口さん)。
キャンナビのこうした活動は、生徒一人ひとりを成長させ、自己実現につながると考える井口守入試広報室室長は、「こうした活動が主体的に行われているからこそ、自分の考えを言語化でき、意見をしっかり言うことができるのだと思います。それは大学入試にもおのずと影響してくるのではないでしょうか。キャンナビのモットーは『考動』です。日々の取り組みは自分の人生や進路に対しても、考え、行動していく力になっていくと思います」
入試では、志望動機に「滝二パンがあったから」と言う生徒や、「入試の時にグッズのバッジをもらって励みになったからキャンナビに入りたい」とキャンナビ参加を決める後輩もいる。キャンナビの活動が評価されている声を聞き「喜んでもらえるように、また新しいことを考えていきたい」とメンバーは嬉しそうだ。今後のさらなる活躍に注目したい。
過去の記事もご覧になれます
滝川第二中学校・高等学校 https://takigawa2.ed.jp/