マナビネットオープンスクール2024 ●掲載:塾ジャーナル2024年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

“同志社スピリット”を礎に
次世代を生きる、才気溢れ独立心旺盛な人材を育成

同志社香里中学校・高等学校

「同志社」の創立者・新島襄は、「キリスト教主義・自由主義・国際主義」を礎に「一国の良心」となる人材の育成を目指した。大阪で唯一、その伝統を受け継ぐ同志社香里中学校・高等学校は、同志社の理念をより深く問い直しながら、これからの時代に求められる「世界に通用するしなやかな人間力の涵養」に力を注いでいる。同校では昨年、中高6年間での中期的な活動方針「Vision2030」を策定。今年度のスローガンに「飛躍する同志社香里」を掲げ、多彩な活動を展開中だ。詳しい内容について入試部主任 中瀬古 佳史先生にお話しを伺った。


3つの主義を柱に
生徒一人ひとりの可能性を大きく伸ばす

校祖である新島襄は、国内外の多くの人の協力を得て1875年京都に「同志社英学校」を設立。キリスト教を基盤に、自治自立の精神、高度な国際感覚、そして良心をあわせもつ人材の育成に努めた。その意志を継承する同志社香里中学校・高等学校では、自らの人生を築いていくための指針を得る機会として、日々の礼拝や聖書の授業を始め、ボランティア活動、自然災害被災地支援などを通して、社会の課題発見につながる学びを実践中だ。

新島襄が海を渡り世界標準の知識や考え方を身につけたように、海外留学を始め、スケールの大きな学びを通して国際人に欠かせない共生の心も養っている。こうした日々の活動により、生徒一人ひとりの主体性を育みながら個性を伸ばす一方で、たくさんの人と協働して何かを成し遂げるチームワーク力を身につけていく。

これらを2030年に向け具現化したのが、昨年策定された「Vision2030」だ。「世界に通用するしなやかな人間力の涵養」を基本理念に、中高6年間の教育方針を明文化している。

「本校では一方的に指導するというスタンスではなく、生徒の可能性を信じ、個性を大切にしながら、一人ひとりが自発的に行動して自分の力を発揮できるよう『本物に触れる・社会とのつながりを意識させる・少し背伸びをさせる』ことにこだわり、体験・探究活動を重視。自己肯定感と自己有用感を育んでいます」と中瀬古先生は話す。

同志社に受け継がれる「倜儻不羈」の精神
一人ひとりがのびのびと豊かな才能を発揮!

同志社に受け継がれる考え方のひとつに、「倜儻不羈(てきとうふき)」がある。才気にあふれ独立心が強く、確固たる信念にもとづいて行動できる人材を意味するこの考え方が行き渡る自由な校風のもと、生徒たちはのびのびと才能を育み活躍している。

「本物に触れる学びでは、たとえば苦手意識をもちやすい古典において、『小倉百人一首』のかるたや貝合わせの体験などを通して楽しく学んでいくのを始め、社会科では株式投資のシミュレーションを行う株式学習ゲームで知的好奇心を高めるよう工夫しています。社会とのつながりを意識させる学びでは、外資系企業でのインターンシップや、高校生模擬裁判選手権への参加などを積極的に行っています。また中3生を対象とした『総合的な学習の時間(リベルタス)』の授業の一環として、社会のさまざまなフィールドで活躍中の方をゲストスピーカーとして招聘。進路選択や人生設計を考える一助となるよう推進しています」

生徒を時間と場所の制約から解き放ち、自学自習の気力向上につながるよう、「同志社香里電子図書館」も設立された。これは、同校の第5代校長・生島吉造氏の薫陶を受けた多くの方々からの寄付がベースとなっている。「電子図書館の設立は、従来の図書館機能とICT環境を融合させた新たな学びの場として、2021年にオープンしたメディアセンター『繋真館(けいしんかん)』のさらなる充実を図ることも目的のひとつです」

書籍といえば、理系的な発想を問う短編小説を公募する第11回日経「星新一賞」(日本経済新聞社主催)で中2生の岩本名央さんがジュニア部門優秀賞を受賞したことも話題となった。

2019年からは、中3生を対象とする3か月間の「ニュージーランドターム留学」も行われている。中3の3学期にニュージーランドのオークランドを訪れ、現地校で通常の授業を受け、クラブ活動や行事にも参加。もともと定員3人だったが、昨年度から7人に拡充した。高校が7クラス編成であるため、1クラスに1人がターム留学の経験者であれば、学校生活がより活発になることを期待してのことだという。

高大連携の観点からは、同志社大学の単位を先行取得できる講座を開設。生徒の進路や夢の実現をサポートする多彩な高大連携を進めている。

「学校評価アンケート」では
肯定的評価が驚異の 95%超え

充実した取り組みが活発に行われている同校は、昨年、生徒と保護者並びに教職員を対象に学校評価アンケートを実施した。アンケート回収率は98%という驚異的高さを誇る。【この学校に入学してよかった】と答えた割合は中学生97・1%、高校生94・1%。【特色ある教育をしている】については中学生98・7%、高校生95・8%。中学・高校の区別なく生徒・保護者ともに肯定的評価を得ており、学校生活の満足度の高さを物語っている。

「人生は唯一絶対の正解がない中で、自分にとって最良の選択を模索することの連続です。そのためには、自分自身で考えることが何よりも重要だと思っています。リベラルアーツ教育に影響を受けた新島襄が目指した『知識を運用する品性と精神』は、多様化する現代社会の課題解決に求められている普遍的なものだと思います」

“同志社スピリット”を基盤に、生徒一人ひとりの資質を涵養するための学びの環境が整っている同志社香里中学校・高等学校。

同校の学びは、社会構造が複雑化し、解決すべき問題が高度化する現代においてこそ必要とされる確かな力


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これからの時代を生きるために必要な 「世界に通用するしなやかな人間力の涵養」をめざす


同志社香里中学校・高等学校 https://www.kori.doshisha.ac.jp/