マナビネットオープンスクール2024 ●掲載:塾ジャーナル2024年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

進学実績が躍進し、強豪クラブが活躍
文武両道を貫く愛知県一宮市の伝統校

大成中学・高等学校

大成中学・高等学校は、愛知県の成長都市・一宮市で96年の歴史をもつ伝統校。「一宮から世界へ」を合言葉に、コロナ禍でも海外語学研修や留学を安全に実施し続けた国際教育の実績校でもある。進学実績では昨年9名が医学部に合格し、国公立大学合格者数も増進。また、今年は文部科学省が支援する留学制度「トビタテ! 留学JAPAN」に在校生7名が合格し、柔道部OBの永山竜樹選手がパリ五輪メダリストに輝くなどの明るいニュースが続く。文武両道での成果が続く大成教育の歩みと今後の展望を聞いた。


進学・国際交流・課外活動を応援
中高6年間で人間力を育む

大成中学・高等学校の校長を兼務してきた足立誠理事長とともに、長年学校運営や人間教育に取り組んできた杉浦和彦先生が、今年度、中学校長に就任した。足立理事長・高校校長は杉浦中学校長への信頼を、「コロナ禍でも生徒の安全を確保した上で留学や海外研修を続けられるように調整や手配に奔走してくれました。私と32年間一緒にやってきた、理想を共有できる新校長です」と話す。

杉浦中学校長もまた、「本校は『大成が好き』という教職員が揃っています。同じ意志をもつ先生たちと、本校の教育の柱である“学力”と“人間力”を育てていきたいです」と語る。

その大成教育が近年、大輪の花を次々と咲かせている。

文部科学省が支援する留学プログラム「トビタテ! 留学JAPAN」に応募した生徒から、昨年度は3人、今年度は7人が合格した。その審査では留学の目的が問われるのだが、合格した生徒たちが掲げたテーマはどれも独創的だ。例えば、「フランスでは柔道の競技人口が日本を上回っている。なぜそこまで普及し、強豪国になったのかを確かめたい」、あるいは「祭りの盛んなスペインの取り組みを学んで、地元の祭りの活性化に貢献したい」といった豊かな発想が評価された。

また、社会奉仕活動に取り組む「インターアクトクラブ」の部員たちは、他校に声をかけて一緒に清掃活動をしたり、パラスポーツで特別支援学校の生徒と交流したりと能動的に活動しており頼もしい。

このように、生徒の「やってみたい!」という意欲を学校が応援する伸びやかな校風は受験生に人気が高い。クラブ活動も盛んで、特に柔道は強豪校であり、今夏のパリ五輪60キロ級で銅メダルを獲得した永山竜樹選手は、卒業生で同校2人目のブロンズメダリストである。近年はサッカー部、硬式野球部も強く、これらに打ち込みたい受験生にとっても憧れの学校となっている。

医学部はじめ国公立大に多数合格
進学実績を支える
テーラーメイドの教育

大成中学・高等学校の学びは4コース制。国際人材を育成する「グローバルフューチャーコース」は英語力を強化し、異文化理解を深めるカリキュラムで学び、1年間のカナダ留学を経験できる。昨年、同コースからは東京外国語大や横浜国立大などの難関国立大に合格者を出した。

中高一貫の「ステューディアコース」は6年間で確かな学力を身につけ、国公立大・難関私立大への進学を目指す。昨年は同コースから9名が名古屋市立大医学部、防衛医科大学校、私大医学部に合格した。また、同コースへの高校編入クラスである「ラトナディアコース」の生徒も健闘し、昨年は全校で45名が国公立大(大学校含む)に合格している。

注目すべきはこの45名の中に、部活動と進学の両立を目指す「プラウディアコース」の生徒が5名いることだ。この生徒たちは野球やサッカー等の部活動でも活躍しながら、愛知教育大や静岡大、航空保安大学校に合格している。

文武両道を実践した生徒の頑張りを高等学校第2教頭の城金明生先生は、「部活動に打ち込んだ経験は、受験やその後の人生の支えになるはず。改めて、生徒の将来を見据えた教育をしたいと思いました」と称える。

こうした進学実績を支えているのが、同校が掲げる「テーラーメイドの教育」だ。こまめな面談で、一人ひとりの希望進路や勉強、学校生活などで悩んでいないかを確かめている。総合型選抜や学校推薦型選抜で早期に進路が確定した生徒も、学習の総決算として大学入学共通テストを受けるのが伝統だ。

中高一貫校ならではの連帯
卒業後も学び、活躍する力を培う

全員で共通テストに挑戦する連帯に加えて、中高一貫の「ステューディアコース」では全学年を6つの縦割りにした団ごとで体育祭に取り組み、その結びつきは固い。団の編成は卒業まで変わらず、下級生は上級生を見て成長し、やがて後輩を導くようになる。こうして人間力や絆を培うのが中高一貫教育の良いところで、卒業後でも親交を深めている生徒も多いという。

近年の公立校では部活動の指導を外部委託する流れもあるが、同校では教職員が担当しており、これも私立校ならではの面倒見の良さだ。

愛知県では2025年4月に公立中高一貫校4校の開校が決まっており、生徒・保護者の関心は高い。私立校はこれまで以上に特色ある学びや、充実した学校生活を期待されることになる。学校説明会には年々来場者が増えており、公立中高一貫校の参入は中学受験熱が高まる好機ともなりそうだ。

足立理事長・高校校長は、「本校が教えるのは机上の勉強だけでなく、さまざまな体験や探究を通して、自ら学ぼうとする姿勢です。それが大学での専門的な学びや、社会人になってからの成長を支えるはずです」と自負している。

大成中学・高等学校には、勉強や部活動、探究活動に思う存分打ち込める豊かな6年間があり、目指す将来を応援してくれる先生方がいる。

来年もまた一宮市の伝統校に仲間入りしつつある同校から、国際化、高度化が加速する社会で活躍できる生徒が巣立っていく。


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大成中学・高等学校
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