マナビネットオープンスクール2024 ●掲載:塾ジャーナル2024年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

学園創立100周年のメモリアルイヤー
生徒と教師が語るFOR THE FUTURE

学校法人盈進学園 東野高等学校

1985年、約2万坪を誇る自然豊かな広大な敷地に開校した東野高等学校。2025年は学校法人盈進学園の創立100年、そして同校の開校40年となるメモリアルイヤーだ。数学科の白川匠先生は16年前に同校に入学。現在は数学科の教諭として母校で教鞭を執っている。白川先生に、生徒だった頃の思い出や授業をする上で大切にしていることをインタビュー。また、文化祭(盈華祭)と合唱祭の実行委員長を務める生徒2人にも学校行事への思いを語ってもらった。


白川 匠先生
 数学科教諭 特進コース インターナショナル
 Iコース&スーパーSクラス担任
 埼玉大学理学部数学科 大学院卒 数学博士
進学コース アドバンスAクラス 3年
中 優太(なか ゆうた)さん
杉山鷲飛(すぎやま しゅうと)さん

大切なのは「目線」
生徒から教わり成長できる
教師としての醍醐味

──白川先生が東野高等学校に入学しようと思った理由をお聞かせください。

白川 匠先生(以下:白川) 私が入学した2008年は、大学進学に向けた新コースが設置された年でした。学校が変化していくことを感じ、ここで学びたいと思ったのがきっかけです。あと、家が学校から自転車で3分と、近かったのもありますね。

──どんな生徒さんでしたか?

白川 もう、破茶滅茶でしたね。1・2年の時は軽音学部の部活に没頭し、ほとんど勉強していませんでした。3年になってからやっと「大学院で数学を研究したい」「博士号を取得したい」という目標ができ、睡眠時間の4時間以外はずっと勉強していました。
でも無理がたたって「自然気胸」という肺に穴があく病気で、1回目は自宅療養、2回目は1カ月入院してしまったのです。今、2年生の担任ですが、生徒には「今からしっかり勉強しろよ。3年から無理すると肺に穴があくぞ」と言っています(笑)。

──ご自身の受験勉強法は?

白川 休み時間にはいつも職員室に行き、わからないことを質問していました。どの先生も快く教えてくれて、たくさんサポートしていただきました。また、本校の図書館には、数学者で教育学者でもあった遠山啓先生の数学書を収めた「遠山文庫」があって、大学レベルの数学書を読めたのも刺激になりました。

──在校時に感じていた東野高校の良さを教えてください。

白川 やっぱりこのキャンパスですね。教室を移動するとき、一度外に出る必要があって、雨の日は少しめんどくさいこともあるのですが、春や秋の気候のいい時期は外に出ることで頭が切り替わり、ひとつひとつの授業に集中できました。

──母校で教鞭をとられることになったきっかけは?

白川 大学院卒業後、栃木県の小山工業高等専門学校で大学課程の数学を教えていました。そんな時、母校の恩師から「高校教師として働かないか」と連絡を受けたのです。自分を必要としている場所で働きたいと思ったことが一番の理由ですね。

──教師として、今どのようなことを大切にされていますか。

白川 目線です。物理的な目線(生徒の目を見る)もありますが、私が簡単な問題だと思っていても、生徒にとっては難しいこともあります。安易に「簡単だ」と言わないようにしています。「自分が初めて勉強した時、どうだったかな」と思い返すようにして、生徒目線に立つように努めています。

通常の授業でもそうなのですが、9月の「芸術WEEK」の担当もしていて、行事を通して生徒と一緒に成長できている実感があります。生徒から斬新なアイデアが出て驚くこともありますし、アイデアが実現できなくても、悔しさを生徒と共有することがいい経験になっています。ただ教えるのではなく、教師も生徒から教わり、成長できる。それが教師の仕事としての魅力だと思います。

過去を超え、絆を深める!
「祭喜衝天」文化祭
「喜奏天外」合唱祭

──中優太さんは文化祭(盈華祭)、杉山鷲飛さんは合唱祭の実行委員会委員長とお聞きしました。白川先生はお二人の活躍をどうご覧になっていますか?

白川 「頼もしい」のひと言につきますね。各委員会のメンバーは人数も多く、まとめるのが大変だと思うのですが、柔軟に対応してくれています。最終的には、参加する全生徒のことも考えて運営していかなければなりませんが、きっと力を発揮してくれると思います。頼りになりますし、一緒に仕事をしていて楽しいです。

──中さん、杉山さんに伺います。なぜ委員長に立候補を?

中 優太さん(以下:中) 学校行事の中で一番大きいものが文化祭だと思い、その盈華祭を楽しく盛り上げたいという気持ちで委員長に立候補しました。

杉山鷲飛さん(以下:杉山) 僕はこれまで「長」のつく役割をしたことがなかったのですが、リーダーの経験が今後の何かに活かせるのではと思い立候補しました。

──それぞれの行事のスローガンを教えてください。

 文化祭は「祭喜衝天(さいきしょうてん)」です。「意気衝天」という四字熟語から、“祭りの喜びや盛り上がりを天まで届ける”という思いを込めました。初めはうまく意見が出てこなくて、なかなか決まらずに苦労しましたが、最終的にはみんなの意見をまとめて決めることができました。

杉山 合唱祭は「喜奏天外(きそうてんがい) 響け歌声 呼べ感動」です。「喜奏天外」は1名のアイデアですが、「響け歌声 呼べ感動」は、さまざまな意見を合わせて決めました。すべてを1人のアイデアにするのではなく、みんなの考えや気持ちをまとめた方が思い出に残ると思ったからです。

──これまでの文化祭や合唱祭で思い出に残っている出来事はありますか?

 文化祭前日の準備ですね。1年生の時がバザー、2年の時はボーリングなどのゲームを準備したのですが、準備しながら工夫しあったりするのが楽しかったです。

杉山 合唱祭では、放課後の練習が思い出に残っています。練習を通して、気持ちがひとつになる瞬間が生まれ、友人とのつながりをより一層強く感じられました。

──文化祭・合唱祭に向けて、委員長としての抱負をお聞かせください。

 今までやってきた文化祭の中で一番盛り上がった文化祭にしたいです。過去の文化祭を超える文化祭にしたいと思っています。

杉山 クラスの仲間の絆がより一層深まるような合唱祭にしたいです。

──頑張ってください! 本日はありがとうございました。


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