マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年11月号/取材:塾ジャーナル編集部

「グローバル選抜探究コース」がいよいよスタート
関西国際大学との高大連携プログラムも本格化

神戸山手女子中学校・高等学校

来年2024年に創立100周年を迎える神戸山手女子中学校高等学校。平井正朗校長が就任した3年前から「変わる山手!進路満足度100%」を掲げ、さまざまな改革を進めてきた。
その結果、今年度の4年制大学への進学率は過去最多で80%を超え、進路満足度は94.6%と高い成果を示した。さらに今年は「グローバル選抜探究コース」の新設と、高大連携教育の「関西国際大学進学プロジェクト」が本格スタート。初めて開催された「グローバル探究キャンプ」と高大連携プログラムに参加された生徒の皆さんに感想を聞いた。


学年を超えた交流と新しい自分の発見
可能性を引き出すイングリッシュキャンプ

この春始動した「グローバル選抜探究コース」では、国公立・難関私大、海外の大学への進学を目指す。ネイティブ教員と日本人教員の2人担任体制で常に英語に触れられる環境の中、イマージョン教育、EdTech教材を活用した個別最適化学習など、様々なプログラムで英語力を深める構成となっている。

なかでも「グローバル探究キャンプ」は、夏期・冬期の休暇中に行われる神戸山手女子独自のオールイングリッシュプログラム。少人数のグループにネイティブ教員がサポートに入り、様々なアクティビティや学びを通して交流し、最終的には英語によるプレゼンテーションを行うというものだ。この夏、グローバル探究キャンプに参加した4名の生徒の皆さんに、その学びの様子を伺った。

「想像以上に楽しかった」と話すのは森川紡季さん(中1)。「私はプレゼンテーションがあまり得意ではありませんでした。でも周りの人がものすごく一生懸命練習していて、発音がどんどん良くなっていく姿を見て感動したり、先輩方とも協力し合うことができたりしたのがすごく嬉しかったです。最初はすごく心配だった発表も想像以上に上手くできたので、これからも英語での発表を積極的にしていきたいと思いました。留学生の方々とも英語で交流する機会がたくさん得られ、とても充実した日々でした」。

牛越あずささん(高1)も、最終日に行ったプレゼンテーションが印象に残っているという。「今回のイングリッシュキャンプには、関西国際大学の留学生の方たちも参加していました。私たちは14名のグループでプレゼンテーションの準備を進めていたのですが、留学生の皆さんは少人数でプレゼンの準備をしていました。その完成度がとても高くて驚きました。私たちも、各グループを担当してくださった留学生の方や先生方のサポートによって、最終的に上手く仕上げることができました」。

あずささんは今回、不慣れながらリーダーを務めることになった。作業を進めていくなかで、チームの仲間に助けてもらったり、教員からアドバイスをもらったりすることが多く、リーダーになることの重要さや大変さも実感したという。

今回のプレゼンテーションでは、自国の文化や歴史について自信をもって話せるようになることが目的のひとつ。日本の文化を発信するには、他国の文化を知り、世界の中における日本の立ち位置を知ることが大切だ。今まで当たり前だった日本文化を違う視点から見ることによって、新しい発見がある。参加者は「自分の国のことなのに、意外と知らないことが多かった」と口をそろえた。

この夏休みに留学のため来日したばかりのイザベラさん(高1/ブラジル留学生)は、学校の授業より先にイングリッシュキャンプを体験した。ボールを使ったアクティビティが楽しく、クラスメイトだけでなく中学生と話す機会もあり、他学年の友だちがたくさんできたのが良かったという。

寺西アリーヤさん(高1/フィリピン)も、イザベラさんと同じくゲームやアクティビティで友だちとの絆を深めた。「間違えることを怖がらない、恐れずに英語を使うことを学びました」という彼女は母国語がタガログ語、英語は第2外国語だが、「知らない単語があったり文法的な間違いがあったりしても、みんながやさしく見守ってくれるから安心して話すことができました」と語った。

今回のキャンプでは、英語に対する苦手意識がなくなった生徒が多かったという。

神戸市の歴史や問題を探究
未来に向けた具体的な体験

姉妹校である関西国際大学への進学率が過去最高になった今年、同校ではさらに本格的な高大連携が進められている。6学部ある中の保健医療学部・教育学部・社会学部の3学部で体験実習が開催された。未来探究コースでは社会学部のフィールドワークを必須とし、加えて保健医療学部の看護体験、教育学部の保育体験から、生徒たちが将来に向けて興味のある学部を3日間で体験をした。

社会学部のフィールドワークでは、伝統ある国際都市・神戸が抱える様々なテーマを探究する内容となっており、2025年に神戸が理想に掲げる目標を達成するにはどうしたらいいかを考える機会となった。

本城姫奈さん(高1)は、フィールドワークで神戸市の空き家問題を探究した。想像以上に多い空き家について、今後も考えていく必要があると実感したという。また音楽療法士にも興味があったため、教育学部と保健医療学部を選択。「保健医療学部は看護師になりたい人が多かったのですが、自分が想像していた勉強や実習とは違っていてとても勉強になりました。命の大切さを再認識し、一人ひとりを大切に支えていく仕事なのだと改めて感じました」と語る。

寺田志生さん(高1)は、神戸の三大洪水について学び、現在どのような対策が行われているか、被害を受けた場所が今どうなっているか、実際に川沿いを歩いて検証してきたという。また子ども好きということから教育学部を選択し、大学の保育室で保育実習を2日間体験した。「0歳児に関わったのですが、思っていたよりお喋りできることに感動しました。実際の子どもたちの姿を見て、ますます保育士になるのもいいと思いました」。

今回、フィールドワークなどの具体的な体験によって、ひとつ上のステージがより明確になったと語る2人。普段から大学の講師によるオンデマンド講座を組み込むなど、今後ますます実践的になっていく高大連携プログラム。グローバル選抜探究コースとともに、今後の神戸山手女子中学校・高等学校に熱い期待が寄せられる。


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神戸山手女子中学校・高等学校 https://www.kobeyamate.ed.jp/